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 3月2日、愛知・名古屋国際会議場でプロレスリング・ノア春のビッグマッチ『GREAT VOYAGE in NAGOYA』が行われ、ジェイク・リーvs藤田和之のシングル初対決が実現。元GHCヘビー級王者同士の闘いは、ノンタイトル戦とは思えぬほどの重厚で激しい一戦となった。

 昨年3月から10月までNOAH最高峰GHCヘビー級王座に君臨し、「NOAHの舵取り」を自認していたジェイク・リー。今年に入り再びNOAHの舵を取ることを宣言し、すでに3.31後楽園大会でイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.の持つGHCヘビー級王座への挑戦が決定しているが、その前にあえて強敵・藤田和之との対戦を希望。2.23後楽園大会でのタッグ初対決を経て、この日ついに注目の初シングル戦が実現した。

 序盤は緊張感あふれるレスリング、寝技の攻防を展開。藤田が上から攻めれば、ジェイクは下からブラジリアン柔術の技術で応戦し、藤田からファーストエスケープも奪ってみせる。そしてロープ際でクリーンブレイクした際は、いつものように紳士的お辞儀で余裕を見せるが、藤田は「しゃらくさい!」とばかりにビンタ一閃。

 ここから試合は乱戦モード。場外でのエルボー合戦で圧倒的優位に立った藤田は、リングに戻ると監獄固めを極めながら野獣の雄叫びで、精神的にも追い込んでいく。

 場外戦以降、劣勢が続いたジェイクだが、監獄固めをロープブレイクで逃れると、向かってくる藤田の土手っ腹にジャイアントキリング(キッチンシンク)を決めて反撃開始。あえて再び場外戦に持ち込むと、藤田を鉄柱の前に立たせ、花道を走ってのジャイアントキリング。そしてリング内に戻ると、先ほど極められた監獄固めを極め返し、そこから足4の字固めに移行。ジェイクが「参ったしろ!」と叫ぶと、藤田は「するかバカヤロー!」と叫び返し、どちらも一歩も引かない。

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 ロープブレイク後、脚にダメージを負った藤田にジェイクは必殺のFBSを決めるべく狙いを定めるが、藤田はこれをかわすと逆にスリーパーホールド。ここから藤田がジャーマンで投げ捨てれば、ジェイクもジャーマンで投げ返し、藤田がブレーンバスターで投げれば、ジェイクもブレーンバスター。

 この意地の張り合いは強烈なエルボー合戦に発展するが、エルボーではやはり藤田が優勢。それでもジェイクはバックドロップからFBSに行くが、藤田が顔面へのえげつないナックルで迎撃。倒れたジェイクの顔面をサッカーキックで蹴り上げると、トドメのビーストボムにいこうとするが、抱え上げる前に試合終了のゴング。結果は30分時間切れ引き分けだったが、藤田はレフェリーの制止を無視してビーストボムで投げ捨てると、赤まむしドリンクを一気に飲み干し、余裕の表情でバックステージへ消えた。

 一方、ドローながら後半内容的に押されたジェイクはコメントルームで「今、決めた。(GHCヘビー級の)ベルトを獲ったら真っ先にアイツを指名してやる!」と宣言。

 はたしてNOAH最高峰のGHCヘビー級王座を賭けたジェイク・リーvs藤田和之は実現するのか。まずは3.31後楽園のワグナーJr.vsジェイク・リーのGHC戦に注目だ。

 また、この日のメインイベントは、GHCタッグ王座次期挑戦権を賭けた「Victory Challenge Tag League」公式戦で、清宮海斗&大岩陵平が杉浦貴&佐々木憂流迦と対戦。ここまで2戦白星なしだった清宮&大岩が、開幕2連勝を挙げた杉浦&憂流迦を撃破して、リーグ戦初勝利を挙げた。

 試合後、清宮はマイクを握ると「このリーグ戦優勝して、GHCタッグに挑戦して、今度また来る時はチャンピオンになって帰ってきます!」と、名古屋のファンに王者チームとしての凱旋を約束した。

 リーグ戦は3.10熊本城ホール大会で優勝が決まり、優勝チームが3.17横浜武道館大会で、第66代GHCタッグ王者チーム、ジャック・モリス&アンソニー・グリーンに挑戦する。

文・堀江ガンツ

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