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【映像】チームメイトも絶賛!羽生善治九段の指し回し

 将棋界のスーパーレジェンドに、変幻自在の天才型ベテラン。個性際立つ「監督対決」にファンの心も踊った。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ1位決定戦、関東A 対 中国・四国が3月2日に放送された。第8局では関東Bが羽生善治九段(53)、中国・四国が山崎隆之八段(43)と、今大会初となる監督同士の直接対決に。タイトル99期を誇る羽生九段が、抜群の斬れ味を見せ、チームメイトから「冷静そのもの」と絶賛の言葉も漏れた。

【映像】チームメイトも絶賛!羽生善治九段の指し回し

 第7局までに中国・四国がスコア4-3とリードし、関東Bにとってはカド番で迎えた第8局。ここで羽生九段が棋士チェンジを使って登場。前回の試合では圧巻の4連勝でチームを勝利に導いたこともあり、本戦出場がかかるこの試合でも、土壇場からの逆転を狙って、自ら盤に向かうことにした。

 第7局に勝利し勢いに乗る山崎八段が先手で始まった一局は、相掛かりからスタート。独創的な指し回しで知られる山崎八段が、早くもひねった指し方で動きを見せたが、羽生九段は翻弄されることなく落ち着いて形を整えたことで、盤面も徐々にオーソドックスな形に近づいていった。

 乱戦模様なら山崎八段の土俵、となるところだったが羽生九段の落ち着きにより、ペースも徐々に羽生九段に。5五の地点にグッと銀を押し込んで盤面を制圧しにかかると、ABEMAの「SHOGI AI」も、羽生九段の勝率が65%前後まで上がっていた。

 劣勢を察してか山崎八段が次々と危険は承知で勝負手を放つ中、それでも揺るがない羽生九段。控室では研究パートナーでもある木村一基九段(50)からは、寄せの段階でも慌てなかった△6六歩という手を見て「冷静そのものじゃない。素晴らしい」と絶賛。「これはさすがに参ったか」と、投了間近と見込んだ。

 その後、逆転を許すことなくきれいに勝った羽生九段は「かなり昔の将棋になったので、ちょっと思い出しながら指していました。攻めがうまくつながるようにと思いながら、一応指していました」と振り返ると、解説を務めた佐々木慎七段(44)も、対局後には同じ手に注目。「△6六歩からの攻めが厳しく(山崎八段の)粘りを許さなかった」と指摘していた。

 羽生九段は最終第9局で、菅井竜也八段(29)に敗れ、チームとしての逆転勝利はならなかったが、羽生九段個人の今大会成績は5勝1敗。監督自ら勝ちまくる。そんな展開が、この先にも待っていそうだ。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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【映像】急展開に「な、な、な」と慌てる羽生善治九段
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