週明けの東京株式市場で日経平均株価が初めて4万円台をつけ、史上最高値を更新した。一方で、今年に入ってからおよそ7000円も上昇していることに対する警戒感も出ている。
株価4万円突破の「要因」について経済アナリストの森永康平氏は「デフレ経済脱却への期待、さらには、円安を背景にした企業業績の向上などがある。いわゆる“バブル”ではなく、実績が伴った株価だ」と説明。その上で「今年から新NISAが始まったこと、そして『年明け2カ月で相当儲かった』という話を聞いたことで『私もやらなきゃ』という意欲が高まっている。その結果、証券会社への問い合わせや各社が開催する投資講座も満員だと聞いている」と投資熱が加熱傾向にあることを指摘した。
今後の株価はどうなるのか? 森永氏は株が割高かどうかを判断する指標の一つ「株価収益率=PER」を用いて「ここ10年、PERの上限は16倍ほどだったが株価が4万円を超えた段階で16.8倍ほどとなり『いいところまできた』と言える。また、『年始から2割も上がったスピード』は“早すぎる感”があるため、今後上値が重くなったり、時にはガツンと大きく下がる“調整”が入る日が来るかと思われる。だが、それを『バブル崩壊』などと騒ぐ必要はない」と説明した。
今後、株価はどのような要因で下がるのか?
森永氏は「個人的には4月に日銀がマイナス金利を解除すると予想している。さらに夏以降にアメリカが利下げをするとなると“金利差が閉じて”現在の株高の要因の一つである円安がなくなる。また、株価上昇を牽引してきた半導体の需要がひと段落すると全体にも影響が出てくるだろう」と解説した。
■投資が好調だと詐欺も増える
上昇しているのは株だけではない。実はビットコインの価格も上がっている。
その要因について森永氏は「2つ理由がある。1点目は今年の1月にビットコインを運用対象とする上場投資信託(ETF)が11本承認されたことで幅広い投資家がビットコインに投資できるようになったこと。2点目は新規の発行量が半減する“半減期”が近いと予想されていることだ。実際にビットコインの過去の半減期ではその前後で価格が上がりやすい傾向があった」と説明した。
つまり、日経平均株価とビットコインに直接的な関連はないという。
その上で森永氏は「現在、世界的に見ると投資家が比較的リスクを取りやすい状況にある。そのため、日経平均だけが上がっているのではなく、アメリカの株も上がっており、ビットコインも上がってる」と述べた。
一方で森永氏は「投資が好調だと詐欺も増える」と警鐘を鳴らす。
「『利益を得た人がいる』という事実があるので『日本株を買うだけで2割も資産が増えるんですよ』という“事実”を持ってきた上で、『さらに、もっと儲かるものがあるんです!』などと騙しやすい。『すべてが嘘ではない。真実も織り交ぜる』という詐欺師の常套手段をとりやすいのだ」
このような状況において、投資初心者が気をつけなければいけないことは何か?
森永氏は「『今上がってるからいつもよりいっぱい投資しよう』と右往左往するのではなく、淡々と積み立てていくことが大事だ。この後絶対に下がる瞬間は来る。それでも関係なく、毎月同じ金額を積み立てていく。無理のない剰余資金で投資する方針を絶対ぶらさないことが大事だ」と述べた。
※投資には元本割れのリスクもある。余剰資金で行うなどリスクをしっかり把握し、自己責任で行ってほしい。
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側