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【映像】「喉にフタがされたような感じ」とは?
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 人と食事をすると、吐き気やめまいなどの症状に襲われるという「会食恐怖症」。発症するきっかけのひとつに、誰もが言われたことのある「あの言葉」が影響しているという。

【映像】「喉にフタがされたような感じ」とは?

 日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太理事長は「会食恐怖症は人との食事の場面、いわゆる会食行為において、健全ではない不安が長い期間出てしまう症状。例えば食事をする時あるいは食事を想像しただけで吐き気がしたり、食事を口の中に入れても咀嚼嚥下しようとするとそれが入っていかない嚥下障害などがある。『喉にフタがされたような感じ』などという表現がよく用いられる」と説明した。

 日本会食恐怖症克服支援協会のアドバイザーを務める林大学名誉教授で医学博士の田島氏によると「人前での失敗を極度に恐れる『社会不安障害』のひとつに分類され、人と食事をすることに不安や恐怖を感じてしまう心の病」だという。

 「会食恐怖症」を発症するきっかけのひとつが親や先生から当たり前のように言われる「残さずに食べなさい」という言葉。嫌がる子どもに無理やり完食を強要するなど、過剰な「完食指導」によるトラブルも報告されている。

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 協会の調査では発症したきっかけとして「学校給食における完食指導」が関わっていると答えた人は、半数以上にのぼった。

 山口理事長は「食事を残すことに対しての大きな抵抗がある。『人前で残せない』が『無理にでも食べなきゃ』に繋がって、人との食事に対しての強いストレス、『嫌だ』という気持ちが身体的なところに繋がっていく」と説明。

 自身も会食恐怖症だった山口理事長だが、大学時代にアルバイト先の飲食店の仲間たちの協力もあって克服することができたという。

 田島氏によると会食恐怖症を克服する方法は主に2つ。抗うつ薬などを使用する「薬物療法」と、実際に会食しながら徐々に慣れていく「認知行動療法」があるという。

 山口理事長は「『無理して食べなくても大丈夫』『残してもいいんだよ』という言葉が安心につながってリラックスして食欲がわくこともあるので、知っておいてほしい」と話した。

 山口理事長はおよそ7年前、自身の経験を活かして会食恐怖症に悩む人たちを支援する組織を立ち上げて以来、これまで多くの人の相談にのってきた。

 「食べられないことで自分を責めないでほしい。食べても食べられなくても食事を楽しめたらいい、そんな『○○でもいいんだよ』という考え方を持つようにアドバイスすることが多い」

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 山口理事長もかつて「無理して食べなくても大丈夫」という言葉に救われたという。そんな食事の場を楽しんでほしいとの想いから生まれた「食べなくてもいいカフェ」も展開。さらに「食べられない子ども」への接し方について、学校の先生や保護者への活動も精力的に行っている。

 「『食べなさい』と過剰に言う指導の根底には『食べないのはわがまま』とか『食べないのは気持ちの問題だから食べろと言ったら食べられるだろう』という考えがあるかもしれない。そうではなく、『こういう理由があって食べないんだよ』ということを伝えていかなければ、きっと変わらない。だから活動を続けている」
(『ABEMAヒルズ』より)

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