将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が第54期新人王戦を制した上野裕寿四段(20)との「記念対局」を行い、藤井竜王・名人が勝利を飾った(対局日は2023年12月4日)。3月10日には対局の様子がABEMAで配信され、解説を務めた藤井猛九段(53)が新人王戦3回優勝を飾った当時を振り返る場面も。「もう“お腹いっぱい”だったんだけど、気楽にやった結果3回も優勝しちゃった」と爆笑秘話を明かした。
放送での大盤解説には、藤井九段とともに佐々木勇気八段(29)が出演。藤井九段は1996、97、99年の3回で優勝を飾っており、V3の記録は故・森安秀光九段、森内俊之九段(53)と並び最多を誇る。解説の合間には、藤井九段が新人王戦に出場していた時代を振り返った。新人王戦はその名の通り若手棋士の登竜門で、現行の規定では、エントリー時点で26歳以下かつタイトル未経験の棋士、女流棋士選抜、奨励会三段リーグ成績優秀者に加えアマチュアの赤旗名人戦優勝者(年齢制限なし)が参加することができる。優勝者はタイトルホルダーなどトップ棋士との記念対局を行うことが恒例となっており、第36期(2005年)まではその記念対抗も公式戦として行われていた。
3度の優勝を誇る藤井九段は、「3度も優勝できるとは思わないじゃないですか。最初優勝した時はめちゃくちゃ嬉しくて。で、翌年は気楽にやっていたら優勝しちゃったんですよ。2回も優勝したから“お腹いっぱい”だったんですけど、3回も優勝しちゃった。気楽にやっている方がいいんだと思うんですよね」と笑った。
さらに優勝者に与えられる記念対局を振り返り、「1回目は羽生善治名人と(結果は〇)。2回目は谷川浩司名人と(結果は●)。3回目の時は特殊で、私は竜王として(新人王戦も)優勝したので、佐藤康光名人と“竜王VS名人”となってしまったんですよね(結果は●)。記念対局じゃないよね、ということになりその時だけ振り駒を行ったんです」と当時のエピソードを語った。
ともに解説を務めた佐々木勇気八段(29)にとっては、羽生名人VS藤井新人王(肩書は当時)との記念対局が印象的だった様子で「(藤井新人王の)快勝でしたもんね!」。藤井九段は「詳しくは私の全局集を見てください」と言って照れ笑いを浮かべたが、「あの対局は日頃から研究していた将棋が出たんです。研究が炸裂して勝ったんですけど、それくらいしないと勝てないんですよ。ガチンコ勝負だとやっぱり上位者が勝つんです」と勝利することの難しさを語った。
貴重なこぼれ話とあり、ファンは興味深々。ABEMAのコメント欄には「かっこいいw」「竜王で新人王は草」「さらっと凄い話するw」「竜王で新人王戦ってw」「すごいなそのカード」「藤井って猛も凄いんだな」「面白い話だった」「新人の竜王でーす」などの声が多数寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)