経験した人もいるかもしれない、喧嘩の仲裁。ある調査で、街中で喧嘩をしていたら仲裁に入るかという質問に、「入ると思う」と答えたのは5%だった(Sirabee)。
また、仲裁が必要な場面は他にも。「友人夫婦の仲裁マジめんどくさい」「同僚が仲悪くてどっちの味方していいかわからない」。善意の行動とはいえ、どこまで間を取り持てばいいのか。『ABEMA Prime』では喧嘩の仲裁方法について考えた。
■仲裁し鼻を骨折するも「助かった人がいたなら良かった」
仙台市内にあるライブハウス「LIVE STUDIO RIPPLE」を経営する堀越徹夫氏は揉め事を放っておけない性格で、普段から仲裁に回ることも多いという。2018年9月に地元・仙台の路上で若者3、4人が中年男性に絡まれていた際も、堀越氏が仲裁に。しかし、中年男性2人に殴られ鼻を骨折。3日間入院し、全治1カ月だった。殴った中年男性らはその場で現行犯逮捕された。
当時について、「ライブハウスをやっているので、打ち上げでよく居酒屋に行く。その時に知らない人同士が喧嘩になっていた。止める人が誰もいないので、自分が行かなきゃなと思った」と振り返る。
周りの人は見ているだけだったという。けがをしてしまったことについては「折れたのは痛かったが、骨折り損ではなかった」「止めに入ったことで、助かった人がいたなら良かった」と話した。
■“街中”と“身近”な喧嘩の止め方
格闘技イベント「Breaking Down」で警備を担当、元警察官僚でもある“プロの喧嘩仲裁人”、屋久哲夫氏によると、街中で喧嘩を止める際は“言い分を吐き出すだけ吐き出させる”ことが大事だという。その場のいら立ちや荒れた空気を鎮める、双方を引き離して別々に話を聞くのが原則、1人では仲裁せず協力者を求めてチームで行うこととし、大前提は警察に任せるべきだとしている。
「始めから同じ場所にいれば状況はわかっているだろうが、基本的にはその場を離れて、“110番一択”だと警察学校・警察大学校でも教えている。知らない人間がいきなり声をかけても、両方から敵だとみなされるかもしれず、非常に危険だ。周りを見て巻き込める人間がいたら“俺はあっちを止めるから君はあっちを”と頼む。電車の中も同じで、スマホで撮っている人に“お前撮ってないで付き合え”と言ったことがある。1人では絶対に無理だ」
さらに、具体的な介入の仕方として、「“やめろ”ではなく、“どうした、どうした?もうすぐ警察来るで”“やめたほうがいい。スマホで撮られてるしアップされちゃうよ”と。理屈ではなく、“恥ずかしい。このままじゃヤバい”という方向に意識を向けさせる」と補足した。
また、身近な喧嘩の止め方について、職場の同僚で立場が近い人の場合は中立を取りにくく、どちらかに肩入れすれば遺恨を残してしまうため、上司に相談し任せる。友人の場合は、明らかにどちらかが悪い場合以外は双方の話をひたすら聞き、ジャッジはしないこととした。(『ABEMA Prime』より)
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