将棋の藤井聡太棋王(竜王、名人、王位、叡王、王座、王将、棋聖、21)が3月17日、栃木県日光市で行われた第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局で挑戦者の伊藤匠七段(21)に勝利し、3勝0敗1分で初防衛を決めた。ABEMAで解説を務めた佐藤康光九段(54)は、藤井棋王の圧巻の寄せをドジャースの大谷翔平投手(29)の打撃で表現。意外な共通点の指摘に、視聴者からは「なるほど」「天才と天才ですね」などの反応が寄せられた。
藤井棋王と同学年の伊藤七段が激突した今期の棋王戦五番勝負。開幕局は、藤井棋王にとって公式戦で初経験となった持将棋が成立するなど、波乱の出だしとなった。第2、3局は両者得意の角換わりで激突。最新形の難度の高い将棋となったが、藤井棋王が華麗に寄せ切り連勝を飾った。第4局は、後が無くなった伊藤七段は先手で角換わりに誘導したものの、藤井棋王が拒んで相掛かり模様の力戦の出だしに。繊細な神経戦となったが、中盤で抜け出した藤井棋王が鋭く斬り込み、鮮やかに勝利を手にした。
シリーズを通して藤井棋王が見せた圧巻の寄せの技術。棋王2期、竜王、名人など通算13期のタイトル経験を持つベテランの佐藤九段は、藤井棋王の寄せの速さについて「他の方とは距離感がだいぶ違う」とコメントしていた。
その“感覚”について、日本時間3月20日に開幕を控えている野球・メジャーリーグのドジャースに所属する大谷投手の打撃力で表現。佐藤九段は「大谷選手もオープン戦からホームランを打って活躍していますよね。私もたまに中継を見ていますが、打った瞬間『センターフライかな』と思ったら、スタンドに入っちゃったりしていましたよね。藤井さんも若干そういう感じがあるんです。まだまだかなと思ったら、あっという間に寄せが見えている時がある。その辺は共通しているイメージがあります」と語った。
競技は違えど、トップで活躍する棋士の感覚値の表現にファンも思わず首肯。視聴者からは「たとえが秀逸」「そんな共通点が」「けっこう言えてる」「説明わかりやすい」「なるほど」「野球星人と将棋星人」「めっちゃわかるw」「天才と天才ですね」と多数の反応が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)