3月17日、神奈川・横浜武道館でプロレスリング・ノア『GREAT VOYAGE 2024』が行われた。
メインイベントは当初、VCタッグリーグ優勝チームの清宮海斗&大岩陵平がGLGのジャック・モリス&アンソニー・グリーンに挑戦するGHCタッグ選手権の予定だったが、清宮が練習中のケガ(脊髄震盪)により無念の欠場。急きょ、VCタッグリーグ準優勝で前王者組でもあるREALのサクソン・ハックスリー&ティモシー・サッチャーがタイトルに挑戦した。
昨年の9.24名古屋大会で、モリス&グリーンに敗れ王座陥落したハックスリー&サッチャーは、この降って沸いた王座挑戦と6カ月ぶりのリベンジのチャンスに気合十分。序盤から場外戦に持ち込みペースを握ると、ハックスリーの巨体を活かしたパワーと、サッチャーのねちっこい技で追い込んでいく。
これに対し王者組は、お返しとばかりに場外でマットをはがした床の上にサッチャーをWブレーンバスターで叩きつけると、リングに戻りグリーンのロープ上を歩いてのフライングボディプレスと、モリスのフロッグスプラッシュで反撃開始。
挑戦者組もハックスリーのパワーで主導権を取り戻そうとするが、モリスが場外のサッチャーにムーンサルトアタックを仕掛け、すかさずリング内のハックスリーにもミサイルキックを浴びせて挑戦者組を分断。その後、モリスがサッシャーに必殺のタイガードライバーを決めるが、これはハックスリーがカットに入りカウント2。
それでも勝負どころで王者組は攻勢の手をゆるめず、最後はモリスがハックスリーの後頭部へのグッドルッキングニーから、正調グッドルッキングニー、そしてトップロープからシューティングスタープレスをズバリと決めて3カウントを奪取。前王者組の挑戦を退け、GHCタッグ王座4度目の防衛に成功した。
試合後モリス&グリーンは、ゲスト解説のため放送席に座っていた清宮海斗を挑発。「俺たちがチャンピオン」「いつでもお前たちの挑戦を受ける」と、あらためて清宮&大岩の挑戦を受けて立つ姿勢を示した。
さらに王者組の祝福のためリングに上がったGLGのリーダー、ジェイク・リーもマイクを握ると「ワグナー!聴こえるかー!3月31日だ、後楽園ホール。GHCのタイトル、君からそのベルトを私が奪ってやる」とイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.の持つGHCヘビー級王座奪回を宣言。「だがなぜ、私がここまで自信満々で言えるのか。なぜならこの私が、いまもこのリングの舵を取っているからだ!」とキメ台詞で締めた。
タッグ王座を盤石なものとしつつあるモリス&グリーン。さらにモリスはGHCナショナル王座も保持しており、これでジェイク・リーがGHCヘビー級王座を奪回すれば、NOAHの主要ヘビー級王座はすべてGLGが手中に収めることとなる。いよいよGLGによるNOAH制圧が見えてきた横浜大会だった。
文/堀江ガンツ
写真/プロレスリング・ノア