漫画家、長谷川町子さんの貴重な資料を展示する「長谷川町子記念館」で行われている企画展が注目を集めている。
【映像】実はオシャレなわかめちゃんの服装
 
 それが「わかめちゃん」の企画展だ。漫画『サザエさん』に登場すると磯野家の次女、わかめちゃんを主役にした展示は記念館史上初だという。わかめちゃんにまつわる原画などの貴重資料およそ240点を展示しており、珍しさなのか予想以上の人気なのだという。
 サザエさんの漫画本は全68巻、累計発行部数は8600万部以上。アニメ放送は55年目になる。アニメのわかめちゃんは小学3年生。一方の原作は連載当初は5歳くらいと設定が異なり、容姿も全く違う。
 
 今回の展示を企画した、長谷川町子美術館学芸員の長澤有記氏は「ちょっとした表情のしぐさでも、4コマの中でのひとコマを切り取っても、わかめの表情がとてもかわいいシーンがたくさんあるので、いろいろな表情を見せてくれるところが魅力」と語った。
 
 40年以上サザエさんを研究している、サザエさんサブタイトル研究科の秋葉氏は「すごく4コマと言えども生き生きしている。いろいろな表情も見せてくれる。意外と夢見る少女、ポエマーっぽい」と、わかめちゃんについて解説。
 
 「試しに10冊ぐらい(『サザエさん』を)見てみたが、付箋がついているところがわかめちゃんがオチになっている。わかめちゃんが最後の1コマを担っているというのがいっぱいあって」「バイプレーヤーみたいな感じ」と、活躍ぶりについて語った。
 
 また、元国際基督教大学教授の磯崎三喜年氏は、わかめちゃんの人気ぶりについて「ひとつはキャラ。親の注目を引くようなちょっと気の利いたことを言ったり。そういう側面というのは実は我々は自分でそう思っていても、どこかでそれを抑えるようなことがある。わかめちゃんはその状況に合わせて自分を素直に出していく。その素直さを周りが受け止めて、キャラを肯定する」と説明した。