「うわー!指せない、これは…」佐藤天彦九段、独創性溢れる技アリ一手に女流棋士がクラッ!?解説者まで「なんという手だ」/将棋・ABEMA地域対抗戦
【映像】佐藤九段の一手に「うわー!指せない、これは…」と絶句する女流棋士

 あまりの独創性溢れる一手に、女流棋士も思わずクラッ!?日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ2位決定戦、関東B 対 九州が3月23日に放送された。第3局ではタイトル戦に出場が続く若手ホープの関東B・伊藤匠七段(21)と、名人3期の実績を持つ九州・佐藤天彦九段(36)が対戦。最近になって振り飛車党に転向した佐藤九段が、この一局では攻めから一転、いきなり受けの一手を放ち、大判解説の女流棋士を「うわー!指せない、これは…」と絶句させた。

【映像】佐藤九段の一手に「うわー!指せない、これは…」と絶句する女流棋士

 佐藤九段といえば、その立ち居振る舞いなどから「貴族」の愛称でファンに親しまれ、将棋についてクラシック音楽との共通点を出しながら説明することも多い。将棋においても、プロ入りから名人獲得まで居飛車党として活躍しながら、昨年から今年にかけて本格的に振り飛車党へ。対局に勝つことも大切にしながら、棋士として新たな棋譜を作り上げることにも心血を注ぐ棋士だ。

 第3局では、タイトル戦に続けざまに出場している売り出し中の伊藤七段を相手に、先手番から中飛車を採用。伊藤七段が居飛車と、予想通りの対抗形になった。中盤、佐藤九段は相手の5筋に戦力を集中させて怒涛のラッシュ。最終盤に向けても、ここを突破できるかできないかが勝敗の分かれ道という内容だった。

 ところが、佐藤九段はこのまま切れる覚悟で攻め続けるかと思われたところ、ってんして▲5一金と自陣を厚くする受けの一手を選択。これには大盤解説で聞き手を務めていた山根ことみ女流三段(26)も「うわー、指せない。これは…。いやー、すごい」と絶句。解説の三枚堂達也七段(30)も「なんという手だ」と仰天すると、再び山根女流三段は「クラっとしましたね」と続けた。

 対局は、攻守自在に指し回した佐藤九段が165手で熱戦を制することに。盤面のどこで旋律を奏でるかわからない。まさに貴族の作品といった一局になった。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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