【WRC】第3戦 サファリ・ラリー・ケニア(3月28日~31日)
アフリカ大陸へ移動してケニアで開催される『サファリ・ラリー・ケニア』。さまざまなアクシデントが発生する伝統の一戦で、日本人ドライバーの勝田貴元が忍耐強い走りを見せ、競技3日目を終えた時点で総合2位につけているが、トラブルで停まっていた前方車両とあわや接触するヒヤリとする場面があり、騒然となった。
アフリカの大地を舞台にWRカーの迫力の走行シーンが観られる伝統のサファリラリー。ケニアの首都であるナイロビから約100キロ離れたナイバシャ湖を中心に、すべてグラベル(未舗装路)のSS(スペシャル・ステージ)でタイムが競われる。
サファリは見晴らしのいい平原がメインではあるものの、泥や砂、石、時には岩までもがコース上に散見され、さらに3月は雨季ということで、雨が降れば路面はぬかみ走行が困難に。バンプで車体をぶつけたり、砂ぼこりで視界が遮られるなどトラブルも多く、「生き残りが重要」とも言われる難コースとなっている。
注目は日本人フル参戦ドライバーの勝田貴元で、過去3回参戦したサファリでは、2位、3位、4位を獲得し、毎回上位につけてきた。競技初日のデイ1では堅実な走りで4位につけると、デイ2もクレバーに走りきり3位、30日に行われた注目のデイ3は、右フロントタイヤをパンクさせながらも、2度のSS最速タイムを計測した。
そんな勝田が神業の危機回避術を見せたのが、SS12『エルメンタイタ』だ。前走車だったティエリー・ヌービル(ヒョンデ)のマシンにアクシデントが発生し、コース上に停車。しかし快調に飛ばしていた勝田は、このヒョンデの真横を猛スピードで駆け抜ける。この瞬間の勝田のマシンGRヤリスのスピードはなんと時速130キロオーバー。あわやクラッシュかと思われたが、高速走行中のミリ単位のマシンコントロールで見事に回避している。
配信を観ていた視聴者からも、「うしろきてる」、「あっぶな」、「きてるきてるきてる」、「セーフ」、「ヒヤッとしたー」と驚嘆のコメントが集まった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)