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【映像】室内でうっそうとした大麻
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 いま、若者の間で大麻が乱用され、警察が警戒を強めている。警察庁は2023年に大麻関連犯罪で逮捕・書類送検した20歳未満の未成年が1222人だったと発表。前年比34%増で過去最多、2019年からも倍増となった。

【映像】室内で栽培…うっそうとした大麻

 日大アメフト部や東京農大ボクシング部など、大学生の大麻犯罪が目立つが、年齢別に見ると16歳から検挙数が増え、特に16歳は前年比6割増と急増。低年齢化も懸念されている。『ABEMA Prime』では、大麻に走る理由と更生について、16歳から大麻を常用していた当事者と考えた。

■海外で合法、医療用大麻の存在も影響

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 カリファさん(30)は、16歳から大麻を常用し、現在は薬物依存者への支援団体「湘南ダルク」でリハビリを受けている。大麻使用は高校中退時に先輩から誘われ、抵抗感はあったが「断るのは格好悪い」と、タバコの延長のつもりで始めた。友達や先輩など周囲は、みな大麻を使用しており、誘い文句は「自然のものだし大丈夫」だった。

 最初は先輩といるときのみ使っていたが、自分でも購入し始め、頻度も週2〜3回から毎日へ。売る側にもなり、脱法ハーブやコカイン、覚せい剤にも手を出した。20歳の時に大麻取締役法違反(共同所持)で逮捕され、22歳で初めてリハビリ施設へ。精神科にも通院した。23歳からダルクで2年半ほど療養し、26歳で社会復帰したが、27歳で再び大麻を使用し、29歳でダルクへ戻っている。

 本人はいま、「薬物依存症という病気」だと自認している。「気分が良くなり、ストレス発散できる経験をするうちに、薬物でモチベーションを維持するような感覚が身に付いた。薬物をやめたあとも、ストレスに向き合えず、乗り越えづらい背景があり、再度使用してしまった」。

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 大麻が合法化されている国があること、医療用大麻があることも後押ししたという。「合法化されている地域があり、医療用大麻やメンタルヘルスのケアなど、病気の治療薬として使われている。日本国内では違法で、安全とは言えないが、身近で一番使いやすい認識があった」と明かす。

 自身も大麻を常用していた過去があり、現在は「湘南ダルク」職員として薬物依存者の支援をするイトウさんは「相談に来る全員が『アメリカが認めたからOK』『医療として一部認められていれば安全』と口を揃えて話す」と説明した。

■大麻使用で心身への悪影響も

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 カリファさんは、大麻をやめようとした際の不眠や食欲不振、不安などの離脱症状、また大麻を入口に別の薬物に手を出した経験がある。情緒不安定でパニック発作に悩み、それを抑えるために大麻を使用するなど、心身に悪影響が出ていた。

 薬物を使い始めた当初は特に症状はなかったそうだが、「ハマっていく中で、精神的な症状が出るようになった。パニック発作や離脱症状、禁断症状を経験して、苦しかった」と経験を振り返る。

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 イトウ氏は「40年くらいの経験で、大麻関連で亡くなっている人は200人ぐらいいるのでは」と語る。「大麻吸引で心停止したということではなく、うつを患って死を選んだり、ハイになって飛び降りたり。大麻が直接関係ないにせよ、死に至る人はいる」。

■「グリーン」「ガンジャ」「手押し」…SNSで隠語の取引

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 大麻はSNS上では、隠語で取引されている。大麻は「野菜」「グリーン」「ガンジャ」、手渡しは「手押し」、大麻オイルは「リキッド」、大麻があることを「みどりあります」などと表現。ストリート系の洋服ブランドを検索すると、大麻の情報につながるケースもある。

 カリファさんも「SNSで広まっている」との認識を示す。「言葉を打ち込めば、誰かしらの売人にアクセスできる。携帯電話番号を提示しなくても、簡単にやりとりできる匿名性のアプリを若者は使っている」。

 イトウ氏は「SNSで情報を見られ、『刑務所行きになるよ』と言われても、パッと飛び越えて『いいじゃん』と言いやすい環境にある」との見方を示す。「大麻の簡易栽培キットも販売されている。一般人が育てて、自分だけで吸っていたところから、小遣い稼ぎに売るようになったりする」。

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 加えて、「政府や厚労省、医師の考えと、ヒップホップのプロモーションビデオを見て、『大麻かっこいい』といったキラキラ感を覚える10代には温度差がある。しっかり伝える環境が必要だ」と指摘した。

 海外では大麻ビジネスが加速している。北米・欧州を中心に、合法化によって「グリーン・ラッシュ」という言葉が登場。合法大麻を扱うスタートアップが相次いで誕生し、野菜農家が大麻農家に転作するケースもあり、大麻農場ツアーが人気だ。

 ドイツでは4月から、18歳以上の娯楽目的の大麻使用・栽培が合法になる。自家栽培と認可された団体が栽培したものに限定され、闇市場での取引や未成年者の使用を抑制し、流通を管理する狙いがある。

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 ジャーナリストの堀潤氏は、大麻合法化には「関連産業が広がり、ドリンクやクッキーなど、成分表示でわかりやすくなる」側面もあるとして、「やるべきことは、コントロールされた環境づくりで、闇に追いやらないことが重要」と提言する。「僕が高校生・大学生の時、周囲の人は“あぶりなら大丈夫”などと言ってやっていた。その後、20〜30代はハマらず順調に過ごしても、30〜40代で人生にアクシデントが出たときにまたやって捕まってしまい、家庭を失う。なので局所的ではなく、人生のストーリーの中で薬物を考える必要がある。それをダルクの方がメディアに出て話してくれるのはありがたいことだ」とした。(『ABEMA Prime』より)

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