【WRC】第3戦 サファリ・ラリー・ケニア(3月28日~31日)
ラリー競技の世界最高峰で伝統あるサファリ・ラリーを得意とする日本人選手の勝田貴元が、迫力の大ジャンプで世界をあっと驚かせた。
サファリ・ラリーは全ステージがグラベル(未舗装路)となっており、WRマシンが泥と砂にまみれて砂埃であげながら走る姿が印象的だ。路面は滑りやすく、マシンからあがる砂ぼこりで視界も悪くなる過酷な環境だが、競技2日目には、長い直線路が含まれる31.5キロのロングSS(スペシャル・ステージ)4『ケドング』がある。
SS4には、アカシアの木の横を通過する部分にジャンプスポットが設置されているが、ここで美技を見せたのが、唯一の日本人フル参戦ドライバー勝田貴元だ。トヨタチーム(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)は勝田を含む3台のマシンでサファリラリーにエントリーしているが、勝田は過去に2度表彰台に登っており、ここサファリを得意としている。
勝田が操るGRヤリス・ラリー1・ハイブリッドは、ハイスピードのままこのジャンプスポットへ躊躇なく突っ込むと、空中でわずかに車体を傾かせながらも、左フロントから見事に着地。そのまま抜群のマシンコントロールで体勢を整えつつ、さらにコースをグングン加速していった。
この見事なジャンプシーンの動画はWRCの公式X(旧Twitter)でも取り上げられ、添えられたコメントが「Japan Airlines - Part 2」。勝田が日本人であることにかけて、「日本航空」と表記されているのも面白い。
激しく危険なサファリで、豪快なジャンプシーンを見せつけた勝田。日本人のみならず世界中のラリーファンが、このサファリ・ラリーで引き続き見られるであろう、彼の素晴らしい運転テクニックに期待を寄せている。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)