4月1日、東京・新宿FACEでプロレスリング・ノア『MONDAY MAGIC season2 ep1』が行われた。
昨年10月から12月にかけて開催され大好評を博した配信向け大会『MONDAY MAGIC』待望のシーズン2がスタート。シーズン1では、グレート・ムタの“娘”愚零闘咲夜が誕生しムタの子育て物語が展開されたり、他団体のビッグネームが毎回予告なしに登場するなど、数々のサプライズでファンを驚かせたが、シーズン2エピソード1の今大会も事前のカード発表は一切なしで、月曜の夜に数々の“魔法”がかけられた。
まずはオープニングで、NOSAWA論外アシスタントディレクターが、シーズン1に続きアンバサダーを務めるファンキー加藤と共にリングに登場。NOSAWAが「今回も“地雷”を踏んでみようかな」とマイクで呼び込むと、なんとこの前日、3月いっぱいでスターダムを退団したばかりのジュリアが入場ゲートから現れた。
そしてNOSAWAがケース入りの指輪を差し出しながら「生まれた時から決めてました。MONDAY MAGICに出てください!」とプロポーズのように公開参戦オファーをすると、「それはマジでごめんなさい」とあっさり断ったジュリアだったが、「でも5月4日、WRESTLE MAGIC、ジュリア出ます!」と、MONDAY MAGICシリーズ初のPPVビッグマッチ、5.4『WRESTLE MAGIC』両国国技館大会の出場を宣言した。
このジュリア参戦決定に、会場のボルテージはいきなり最高潮。この他、GHCヘビー級王者イホ・デ・ドクトル・ワグナーとDRAGON GATEのドリームゲート王者ルイス・マンテによる魅惑のメキシカン王者同士の合体。“ムタの娘”愚零闘咲夜が1.2有明アリーナでのデビュー戦以来の参戦、その相手に怪奇派女子レスラーの「名無し」が登場。さらに宮本裕向&木高イサミのヤンキー二丁拳銃がGHCジュニアタッグ王座に挑戦宣言。新日本プロレス外道が、小川良成と超・職人タッグを初結成即仲間割れなど、MONDAY MAGICはシーズン2もサプライズ三昧!
そんな特盛大会のメインを締めたのは、清宮海斗と元UFCファイター佐々木憂流迦の初の一騎打ち。こんな好カードが予告なしで組まれてしまうのが、MONDAY MAGICの恐ろしいところ。そんなサプライズ以上にファンを驚かせたのが、憂流迦のプロレスラーとしての成長ぶりだった。
憂流迦は1.2有明アリーナで正式デビューをはたして丸3カ月とはとても思えない動きを見せ、MMAの技術をプロレスに早くもアジャスト。序盤、グラウンドレスリングで主導権を握ったかと思えば、プロレスの基本技アームドラッグを鮮やかに決め、修斗創設者でもある初代タイガーマスクばりのヘッドロックからの高速回転レッグシザースまで披露してみせた。
さらにMMA流の跳びヒザ蹴りから、ジャックハマー、そして新兵器であるオリジナルの関節技・弁天(変形・裏足4の字固め)で清宮をあわやギブアップというところまで追い込む。
それでも清宮は、現時点での憂流迦の持てる技をしっかりと受け止めた上で、カウンターのフランケンシュタイナーで形成逆転。最後はジャンピングニー、タイガースープレックスホールドで畳み掛け、変形シャイニングウィザードで憂流迦から3カウントを奪った。
試合後はノーサイドで健闘称え合う清宮と憂流迦。将来、この二人の対戦はNOAHの看板カードに成長するのではないかと思わせてくれる好勝負だった。『MONDAY MAGIC』新シリーズのスタートは、その魔法の力でNOAHの未来を見せてくれた。
文/堀江ガンツ