近年問題になっている、著名人になりすましたアカウント。投資を勧誘したり、LINEのオープンチャットに誘導したりし、詐欺被害に遭ってしまう人も。その実態と対策について『ABEMA Prime』で考えた。
日本ファクトチェックセンターによると、X上では3月9日ごろから、河野太郎氏や福島みずほ氏、山本太郎氏といった政治家のなりすましアカウントが出現しているという。これらは、不自然な日本語で投資を勧誘する、LINEのオープンチャットに誘導する、アカウントのTOPページは酷似しているもののフォロワー数はごくわずか、といった特徴があるそうだ。
目的について、ITジャーナリストの三上洋氏は「LINEグループに誘導され、“このサイトに入ってください”“今日は金に投資してください”などと言われる。投資サイトは全くの偽物で、入金先の口座も企業名ではなく個人名。投資と称してお金を巻き上げる詐欺だ」と説明する。
また、LINEグループ内は、「偽の著名人が“明日は金だ”とご神託を出す。それで実際に金価格が上がるなど成果がでると“さすがです。儲かりました”と。グループにいる数十人は、自分以外は全員サクラだ」という。
さらに、騙す仕組みにも触れ、「著名人本人のフォロワーを、偽アカウントはフォローする。そうすると、“フォローバックしてくれた!”と思うわけだ。そこで“儲かる話がある”とダイレクトメールが来たら、クリックしてしまう。Xの場合、青いチェックマークは公式を意味するものではなく、お金を払ったらつくもの。逆にマークがあるほうが(お金で買えるので)怪しかったりもする。きちんとフォロワーの数や公式サイトを見て確認する必要がある」と述べた。
三上氏はプラットフォーム側に苦言を呈する。「FacebookやInstagramをやっているMeta社、そしてGoogle側が広告を受けていること自体が問題だという方向に論点が移りつつある。XやFacebookでは有志が“これは偽物だ”と報告しているが、みんな“問題はありません”と返ってくるようだ。運営側の対応がきちんとできていない」。
経済学者で慶應義塾大学名誉教授の竹中平蔵氏も詐欺広告に使われたことがあるという。「友人から“そんなことを言うはずないよね?”と電話がかかってきて、すぐにわかった。アメリカなどは『コンシューマー・レポート』など、ある種権威のあるものを頼りにして商品情報を得るが、日本は受け身に広告だよりで選んでいる。それが体質として、こういうかたちに表れているのではないか。若い人は基本的に暇で、SNSをいっぱい見られることで影響を受けている面もある。私は使うSNSの数を制限しているが、ある程度信頼できるもの、信頼できる相手に制限することが重要だ」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
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