テンプルへのパンチをまともに被弾し、制御不能になったカラダがまるでダンスを踊るかのように前のめりにダウン。反射的にすぐに立ち上がるもダメージの蓄積から体が言うことを聞かず“ダンシング状態”に。危険と判断したレフェリーが試合を止める衝撃KOがあった。
3月30日に後楽園ホールで開催された「Krush.159」。山浦力也(山浦 力也)と蘭丸(team AKATSUKI)の試合は1ラウンド2分39秒、山浦のテンプルへのパンチが効き、ダメージが残る蘭丸にレフェリーストップがかかり、山浦がKO決着で勝利を収めた。
Bigbangで活躍した32歳の蘭丸がKrush初参戦。対するは水津空良や稲垣澪など強豪を相手に4連敗だった山浦。3年ぶりに出場した昨年8月の龍生との試合でKO勝利して復活を果たし、この試合で連勝を目指す。
試合序盤、積極的な攻めを見せたのは初参戦の蘭丸だった。速さのあるヒザからパンチの連打、猛攻に山浦も一瞬戸惑う立ち上がり。しかし、山浦も冷静にローキックを連打して立て直しを図る。
山浦もここからギアが入ったか、ボディ、パンチ連打とテンポ良く攻撃を重ねていく。ラウンド中盤、山浦が連続で放った左足へのカーフキックを蘭丸が嫌がる場面も見られた。
そこから近距離での打ち合いの場面。山浦は三日月蹴りとボディフックで相手を削ると、蘭丸が放つパンチの連打やミドルの反撃をものともせず、ロープを背にしながら顔面を狙って的確にパンチの連打を放つ。
山浦のシャープな打撃に下がった蘭丸は、足もとから前へ崩れ落ちダウン。すぐに立ち上がるも足がもつれて痙攣するかのように後方へ。制御不能のカラダがフラフラと踊るような不規則な動きを見せると、レフェリーも危険と判断して即刻、試合を止めた。
敗れた蘭丸は試合を続けたかったとアピールするが、誰が見てもダメージが大きい。ファンからも「子鹿のようだった」「ダンシングダウン」との声も上がるほどの劇的決着だった。
ゲスト解説でK-1ミドル級王者・松倉信太郎は「テンプルなので失神はしないですが、三半規管が揺れちゃってるのでいいタイミングで止めたと思う」と蘭丸が危険な状態だったことを指摘。リプレー映像でもテンプルを被弾してからの蘭丸の状態を見て「ぐねぐねだったな」「止めてよかった。明確に効いていた」とファンもレフェリーの判断を支持していた。