強烈な左フックをまともに被弾してコーナーに崩れ落ちた衝撃ダウン。何とか立ち上がるも、レフェリーがカウントを途中でやめると敗者が「えっ?」「やりますやります」と驚きを露わにする珍しいKO決着に発展。困惑の様子を浮かべるも、ダウン後の敗者の様子に「態度でとられた」「すぐ振り向けば」などファンから様々な意見が寄せられた。
3月30日に後楽園ホールで開催された「Krush.159」。鵜澤悠也(RIKI GYM)と黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の試合は2ラウンド、黒川が左フックでダウンを奪ってKO勝利を収めたが、ダウンカウント中の選手のある行動が波紋を呼んだ。
両選手ともサウスポー、K-1アマチュアで優勝の実績がある鵜澤と黒川の対戦だ。さらに両者とも前回の敗戦から立て直しを図る復帰戦となる。
試合開始から前蹴りやローで距離を測る両者だが、1分が経過したあたりから足を止めて全力で打ち合う。鵜澤が遠距離から強いローキックを連発すると、黒川は一気に距離を縮めて左を顔面に入れ、左ミドルで追撃。跳びヒザとまで繰り出す連動性のある攻撃。積極性をみせる鵜澤と、距離を取りながら慎重に放つ一発が重い黒川。戦術は違うが両選手譲らずに1ラウンドを終える。
2ラウンド、鵜澤の前進に対して黒川も連打からミドルと攻撃が鋭い。右フックと右のジャブが当たると、鵜澤がたまらずクリンチに逃れるが、二度目のクリンチの離れ際に黒川が間髪いれず右フックを強振。すぐに鵜澤も立て直すが、黒川のフルスウィングの左、右ボディ、追加の右がことごとくヒットする。
後退しコーナー際まで追い込まれた鵜澤に、黒川がさらに左ストレートと追加。グラついた相手にさらに左を合わせると、鵜澤はコーナーポストに寄りかかりながらガクリと腰を落とした。
ダウンカウントが数えられるなか、立ち上がった鵜澤はレフェリーに背を向けロープをつかんで客席側を見ながら息を整えるが、ここでファイティングポーズを取れないと判断したレフェリーがゴングを要求。振り返った鵜澤はグローブを振りながら「まだ出来ます」と困惑しきりだった。
まだ戦う意思があったようにも思える問題のシーンにファンも「止めるのかよ」とレフェリーの判断に異論の声。スローリプレーでは左フックで鵜澤の脳が揺れ、腰から落ちるダウンシーン。カウント中に復帰するも背を向けたことが誤解を呼んだと指摘するファンからは「態度で取られた」「赤なにしてるの」「すぐ振り向けよw」といった声が寄せられるなど、悔やまれる敗戦となったようだ。