【WRC】第3戦 サファリ・ラリー・ケニア(3月28日~31日)
WRC(世界ラリー選手権)の第3戦、世界一過酷!」と評されるラリーコースで、ヒョンデ(ヒョンデ・シェル・モービス WRT)のオィット・タナックが神業テクニックを見せつけた。
すべてのコースがグラベル(未舗装路)となる伝統のサファリラリー。その初日、3月28日のデイ1は、ケニアの首都ナイロビで華やかなセレモニアルスタートが行われると、その後、ナイロビ郊外で1本のスーパーSS(スペシャル・ステージ)「カサラニ」でタイムが競われる。ちょうど雨季が始まるタイミングで、コース上には深い水たまりが点在する難しい路面コンディションであった。
前年はフォードここサファリを走ったタナック選手だが、2024年の愛車は「ヒョンデ i20 Nラリー1 ハイブリッド」。ヒョンデチームとしては、2年連続でトヨタ(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)に1-2-3-4のパーフェクトフィニッシュを見せられているだけに、雪辱を期する1戦となる。
このスーパーSSは2台が並んでスタートして、同時に走るサイド・バイ・サイド方式。タナック選手と並走するのはフォードチームのアドリアン・フルモーだ。タナックはスタートと同時に急加速でフルモーに差をつけると、突如目の前に現れたコース半分を占める水たまりにも躊躇することなく、見事なステアリングさばきで車両1台分ギリギリのアウト側をまるでレールが敷かれているかのようにスパッと通り抜け、結果、暫定トップのタイムを記録した。
最終的に初日のトップタイムを記録したのは、タナックと同じヒョンデのティエリー・ヌービル。そしてタナックは、ヌービルとコンマ1秒差のタイムで2位となった。その後トラブルもあり、最終的には同大会を総合8位で終えたが、元チャンピオンならではのドライビングテクニックが垣間見られた瞬間だった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)