14日、イランが自国の大使館が空爆された報復としてイスラエルに向けてドローンとミサイルによる攻撃を行った。
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15日、イスラエルの戦時内閣が「強力な報復措置」を取ることを決定したと現地メディアが伝えるなど、中東情勢は混迷を極めている。物価への影響について、ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、情勢が悪化した場合の原油価格上昇はもちろん、抑制的な応酬にとどまった場合でも、警戒感から原油価格の高止まりは続くと指摘している。
緊迫する中東情勢が「経済面に及ぼす影響」と「世界各国の思惑」についてアメリカ現代政治外交が専門の前嶋和弘教授に聞いた。
経済面への影響について前嶋教授は「中東情勢が不安定になれば原油の価格が上がり、様々な物の価格が押し上げられる。これに加えて、現在はアメリカの好景気とインフレに引っ張られている部分、さらにはアフリカにおけるコーヒー、イタリアにおけるオリーブオイルなどの不作、その上円安も重なっていて日本は厳しい状況にある。もし今後さらに状況が悪化し、ホルムズ海峡が封鎖されるようなことになれば、一番深刻な影響を受けるのは日本かもしれない」と説明した。
アメリカのバイデン大統領はネタニヤフ首相と電話会談を行い、イスラエルに自制を求めたというが抑制的な方向に進むのだろうか?
前嶋教授は「アメリカ、そして世界のためにも抑制しなくてはいけない」と強調した。
「イスラエルを止められるのはアメリカだけだが、イスラエルのバックにいるのもまたアメリカであり、実際に武器も届けている。今後、本格的な戦いになった場合、核を保有していると言われているイスラエルと、現在の核濃縮のレベルからみると数発の核爆弾を所有できる可能性のあるイランという核保有国が対峙することになる。さらに、イスラエルのバックにはアメリカ、イランのバックにはロシアという2大核保有国があるため、絶対に防がなければいけない」
さらに前嶋教授はアメリカ国内の状況について「これまでトランプ氏はイスラエル支持だと思われていたが最近は『イスラエルはやりすぎだ』と主張している。これは選挙においてイスラエルを応援する福音派は既に固めたため、それ以外の“共和党の中でも揺れそうなところ”を固め、バイデン大統領の支持を揺さぶる思惑がある。そのため、バイデン大統領はまずイスラエルを止め、次なる紛争を防がなくてはいけない」と指摘した。
イスラエル側の思惑については、「イスラエルの側としては、むしろアメリカに入ってきてもらった方が、宿敵イランを壊滅的にやっつけるチャンスだと見ているかもしれない。さらに、『イランに報復しなかったら、(代わりに)ガザの方はアメリカ側が見逃してくれる可能性がある』などと考えているかもしれない」と推測した。
(『ABEMAヒルズ』より)
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