WRC(世界ラリー選手権)第4戦「クロアチア・ラリー」で、レジェンドドライバーが巧みなテクニックを見せて世界を驚かせた。
第4戦の舞台はクロアチア。今年で4回目の開催となるこのラリーは、首都ザグレブを中心としたオールターマック(舗装路)のコースで争われ、その難易度の高さでもよく知られている。
舗装路ということでスピードレンジが高いが、その舗装状態が一定ではなく路面状況が変化するため、シーンごとにドライバーの対応力が重要となる。また、多くのドライバーがコーナーで路肩にタイヤを落とす“インカット走法”を実践するため、コース上に砂利がまかれ、その後に走るドライバーの足枷となってくる。
この難しいコースに、開幕戦以来となるスポット参戦で挑んだのが、2021年に本大会で優勝を飾っているセバスチャン・オジエ(トヨタ・ガズー・レーシング WRT)だ。デイ1のSS(スペシャル・ステージ)6、やはりタイトでツイスティなコーナーが続くこのステージでは、コーナーをクリアしようとした際に、ドリフトでボディ後方が流され過ぎてコースアウトしかけてしまう。
しかし、ここでオジエは、約2か月半ぶりにGRヤリス ラリー1ハイブリッドのステアリングを握ったとは思えない対応力を見せた。見事なカウンターステアで挙動を立て直したかと思いきや、すぐさま豪快に加速。何ごともなかったように激走を続けている。
この凄まじい走りを観た視聴者からは「オジェのオンボが狂った映像だったわw」という驚きのコメントも飛び出した。
この後、SS7、SS8と連続でトップタイムを叩き出し、初日を総合3位で終えたオジエは最終日を終えて総合優勝。通算8度ドライバーズタイトルを獲得した最強王者が、自身59度目の優勝を手繰り寄せたハイライトのひとつとなった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)