日本銀行はマイナス金利を解除したが、大手3行の変動型住宅ローン金利は軒並み据え置きとなっている。今後、さらなる政策金利の上昇はあるのか? それに伴って住宅ローンは引き上げられるのか? 経済アナリストの森永康平氏に聞いた。
【映像】森永康平氏は戸建て派? マンション派? 自身の「選択」明かす
━━3月19日、日本銀行はマイナス金利を解除したが、さらなる金利上昇の可能性はあるのか?
「『物価動向による』という前提を付けつつだが、植田総裁は追加利上げの可能性は高いと発言している。3月にマイナス金利を解除したこのタイミングに何もしないと多くの人が思っているが、25、26日の金融政策決定会合におけるさらなる金利上昇というサプライズも全くないとは言えない」
━━金利が上がると住宅ローンの価格も上がるのか?
「今回マイナス金利を解除したタイミングでは、大手メガバンク3行をはじめほとんどの銀行が変動金利を上げなかったが、追加利上げとなると、おそらく基準としている短期プライムレートも上がる可能性が出てくる。そうなると、日本の住宅ローン利用者の7〜8割が使っているとされている変動型住宅ローンの金利も上がってくる可能性も高くなる」
━━マンション・戸建て、共に価格が上がり続ける中、ライフスタイルが固まっている人は早めに購入した方がいいのか?
「平均して見ると右肩上がりで今後も続いていくと思われるが、実際に個別の物件を見てみると下がり始めている物件もあり、“勝ち組・負け組”に割れてしまっている印象を受ける。誰もが勝ち組になりたいが、既に非常に高価で買える人が限られており、変な話だがある意味格差拡大の1つの要因になっている」
━━森永さん自身は賃貸・購入のどちらを選択しているか?
「私は海外駐在も多かったため賃貸だ。だが、コロナ禍を経て仕事の基盤が国内になり、子どもも3人でこれ以上はもう増えないと思われるなど、ライフスタイルが固まってきたため、戸建てを検討している。とはいえ、やはり都内は非常に高い」
━━住宅を購入する際に気を付けた方がいいポイントは?
「多くの人は将来売ることを考えて『資産性』を重視しがちだが、そもそも家は住んだ瞬間に基本的には価値が下がるもの。そのため、あまり資産性にこだわりすぎずに、『職場から近い』『子どもの人数に応じた部屋数』など、居住性にもう少し重きを置いて選んでもいいのでは」
(『ABEMAヒルズ』より)
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