逆転の道は限りなく険しい。しかしこの勝利は、確実に明日への希望の光だ。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2023-24」セミファイナルシリーズ4月26日の第2試合は渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)がレギュラーシーズン以来13試合ぶりのトップ。昨年王者の意地でファイナルシリーズ勝ち上がりの可能性を残した。
第1試合では多井隆晴(RMU)がオーラスの跳満ツモで浮きの2着を確保。是が非でもトップを取らなければならないこの試合は起家から赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)、そして白鳥の並びでスタートした。白鳥は東1局、佐々木から対々和・混一色・赤の8000点をロンアガリ。トップを信じるファンからは「やったー!」「ええやん」「っしゃ!」「でっけえ」と次々に歓声が上がった。次局も1300点を加点し、トップへの足掛かりを築く。
東3局は親の松ヶ瀬のリーチに対して、流局直前に形式テンパイで危険牌プッシュ。これが実り、見事にテンパイ料を掴み取った。そのまま白鳥はトップ目で進行。終盤、南3局は2着目松ヶ瀬の親番を流すべく、ダブ南の後付けで仕掛けた。道中、不要なドラ5筒を引かされたが、白鳥はこれを強打。トップを狙う気迫がファンを魅了した。この局は終盤、佐々木のリーチに対してオリることになったが、松ヶ瀬はノーテンで流局。南4局はまたも佐々木からリーチがかかり、白鳥はツモられないようお祈りタイムだ。佐々木のリーチが空砲に終わると、白鳥の逃げ切りトップが決まった。
試合後はまず「(ファイナルへ可能性が)つながったかなという感じですね。まだファイナル、諦めることなくできるかな。ここで4着を引いてしまうと、かなり現実的には厳しくなってしまうので」とコメント。東3局のテンパイ料獲得については「練習してきた局が来たな、という感じでしたね。普段だったら取れていなかったかもな、というところだった」と、日々の稽古の積み重ねで掴んだ加点を振り返った。
「ここで脱落してしまうと、視聴者の方も楽しめない。なんとかトップ取れて良かったです。とりあえず望みがつながったので、残り4戦、必死にやりたいと思います」とファンへメッセージを伝えると「久し振りに翔ちゃんの勝ちポーズ見れてよかった!」「月曜日直接対決あるからなぁ」「まだだ、まだ終わらんよ」「おめでとー!」「かっこいい!」と次々に熱い声援が寄せられた。ボーダー上のKADOKAWAサクラナイツとは196.7差。トップ・ラス2回で変わる条件を残し、昨年王者は29日の直接対決へ臨む。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)3万1200点/+51.2
2着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)2万5100点/+5.1
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)2万3800点/▲16.2
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)1万9900点/▲40.1
【4月26日終了時点での成績】
1位 U-NEXT Pirates +443.3(16/20)
2位 EX風林火山 +348.7(16/20)
3位 赤坂ドリブンズ +113.7(16/20)
4位 KADOKAWAサクラナイツ +105.8(16/20)
5位 渋谷ABEMAS ▲90.9(16/20)
6位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲176.3(16/20)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)