【写真・画像】モラハラ夫との離婚を考える3児の妻「私はつらいけど子どもはどうなのか?」 子のために我慢すべき? 成人時に打ち明けられ“仲が良いと思っていたのに…”ショック受けるケースも 1枚目
【映像】波紋を呼んだ自民党議員の発言
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 4月5日、国会での自民党・谷川とむ議員の「DVや児童虐待がない限り、離婚しづらいような社会になるほうが健全だと思っている」「離婚して誰も得しない。子どもも親もみんな傷つく」という発言が賛否を呼んだ。株式会社カケコムの調査によると、離婚を悩んだ理由の1位は「子どもへの影響」。子どものために…と離婚をためらう人は多い。

【映像】波紋を呼んだ自民党議員の発言

 「子どもが成人するまでは、私が我慢して家族の形を続けていく選択をしている」と話すのは、小学生と中学生の2時の父であるSHUさん(40代後半)。掃除は全てSHUさんが担当するが、片付けが苦手な妻にすぐ部屋を荒らされ、教育費などを貯めたいSHUさんに対し、妻はお金の管理を譲らず超大雑把。性格や価値観のズレが積み重なり、一緒にいることに苦痛を感じるように。些細なことかもしれないが、離婚理由は夫・妻ともに「性格が合わない」が1位だ。

 何度も話し合ったが改善されず、SHUさんは“離婚”を決意したそうだが、「今すぐ離婚すると、(妻が)シングルマザーになった途端に貧困になるのが目に見えている。そして、父親がいなくなることによる不安。どう受け止めるのだろうなというのは非常に心配」。そして、子どもの生活と精神面への影響だ。「私自信も子どものことをかわいいと思っているし、嫌な思いはさせたくない。子どもが離婚という事実を受け入れられる精神年齢になるまでは我慢しようかなと」と語る。

■「私はつらいけど、子どもはどうなのかな?って」

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 未成年を含む3人の子どもがいるヨシダさん(40代)は、現在夫と別居中。離婚の原因は長年にわたる夫からの“モラハラ”だ。

「夫が家計の管理をしていて、少ししか生活費を渡してくれないのに、自分は散財する。また、自分より下だと思う人を馬鹿にしたり、自分がいかにすごい人間であるかというのをアピールするので、子どもに悪影響を与えるのではないかと考えた」

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 別居に至る経緯は、「“離婚したい”“一緒に住むことがつらいので一旦離れたい”と伝え、夫に実家に帰ってもらうかたちで別居した。弁護士を通して通知書を送った」と説明。夫は離婚に反対し、「全部冗談。愛情の裏返し」「バカだけどかわいいっていう意味で言っていた」と話したそうだが、「私にはそう取れない。“家事は能力の低いお前の仕事だ”とか、歴史の問題に答えられないと“やっぱりお前はバカだな”とか、“洗濯物をこんなシワだらけで干していいと思うの?”って笑われたり。そんなことで?と思う人もいるかもしれないけど、毎日のように言われるとつらく、一緒に住めなくなった」と明かす。

 別居してもいまだ家計は夫が握っているのか。「本当に少ししかもらえないが、私のほうが収入は多い。家事も1人でやってきたので、どちらの面をとっても1人で育てたほうが楽だ。少しは増やしてもらっているが、向こうがまだ話し合いに応じてくれない状態で、印鑑などの面で口座を動かせない」と語る。

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 そんな中でも離婚をためらうのは、子どもの存在だ。「夫は子どもに対しては優しいし、子どもも“お父さんのこと好き”と思っていることはわかる。自分はつらいけど、子どもはどうなのかな?って」「子どもからは“ちょっと寂しいけど、お母さんが希望するなら仕方がない”みたいな。ただ、“離婚はまだ待ってほしい”と言われた」。

■「離婚が視野に入っている時点で、子どもへの傷つきは避けられない」

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 家庭環境に悩む子どもの相談に乗っているNPO法人ウィーズ理事長の光本歩氏は、「子どもは察知能力がすごく高い。離婚の選択が視野に入っている時点で、子どもへの傷つきは避けられない」としている。また、子どもにとって親の離婚は「自分の存在を揺るがすもの」になると指摘。「自分はいないほうが良かった」「生まれてきた意味がない」などの存在意義につなげてしまう子が多く、未来も希望も見えなくなったり、「親の離婚は自分のせい」と責めてしまうこともあると懸念を示す。

 法務省が令和3年に行った、未成年時に親の離婚・別居を経験した子への調査によると、親の別居開始前に不仲を「知っていた」が42.3%、「薄々感じていた」が38.5%。そうした中での感情について、「仲直りしてほしい」が30.4%、「家族がバラバラになってしまう」が24.3%、「早く離婚・別居してほしい」が21.0%だった。

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 光本氏は「私たちが関わった子で、成人してから親が離婚したケースがある。その子は『お父さんとお母さんは本当に仲が良いと思っていた』と。だから、『あなたが成人したから私たちは離婚する、と言われた時にすごくショックを受けた』と話していた。ケースバイケースなので一概には言いづらいが、親が我慢することが善でもないし、“子どものため”が“子どものせい”と捉えられてしまうこともある」と述べる。

 近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「離婚が多いアメリカだと、お母さんと再婚相手、子どもが住んでいる所のパーティーに、元夫が呼ばれることが普通にある。あるいは、子どもに会える権利がきちんと認められている。日本の結婚制度は、主に経済関係のためのもの。夫が働き妻は家庭に入るという1つの経済ユニットとして昭和の時代は機能していたが、今は女性も働いている。社会の在り方や常識を変えていくべきで、“離婚しづらいほうが健全だ”なんていうのは古い発言だ」との見方を示す。

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 一方、光本氏は「家族が今より幸せになるためには離婚を選択しないといけない、という場面は確かにある。そういう意味で、離婚=絶対悪ではない。ただ、“離婚してもいいじゃん”という社会の認識が広まっていくのは、大人の怠慢だ。そこには傷つく子どもの存在がある」と指摘。「親に対して、例えばシングルマザーには手当が出たり、離婚時に弁護士を利用できる制度などがあるが、子どもに対しては“何が必要なんだろう?”で止まってしまっている。金銭的なことなのか、精神的なことなのか、大人がやるべきケアはもっとある」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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