<大相撲五月場所>◇四日目◇15日◇東京・両国国技館
大学9冠の“新たな怪物”として注目を集める幕下最下位格付出・草野(伊勢ケ濱)が、幕下六十枚目・荒雄山(阿武松)に衝撃の逆転劇で勝利した。劣勢に立たされながらも落ち着いて土俵の反対側まで一気に寄り切った驚きの展開に館内はどよめき「すご!」「そこから勝つんかいw」など驚きの声も上がった。
平成13年(2001年)生まれ、名門・日本大学出身の22歳・草野。令和5年(2023年)に学生横綱に輝き、学生時代には計9冠のタイトルを獲得した有望株で、幕下最下位格付出資格を得て今場所でデビューを果たした。
場所前には同部屋の前頭筆頭・熱海富士(伊勢ヶ濱)や前頭十六枚目・宝富士(同)、前頭六枚目・翠富士(同)ら錚々たる幕内力士から計5勝を挙げるなど、その実力は折り紙つき。まだ短髪の初々しい見た目ながら身長184センチ・体重150キロの体格の持ち主で、デビュー戦となった二日目の1番相撲では寄り倒しで相手を圧倒し、白星スタートを切って話題を呼んでいた。
2番相撲となった四日目の取組でも“怪物ぶり”が発揮された。立ち合い張って出た草野は右を差してまわしを掴むも、上手を取って回り込んできた荒雄山に振り回され一時は苦しい体勢に。半身の状態で土俵際まで詰め寄られたが、その後、左を差すと相手が巻き替えようとしたところを一気に前に出て寄り切った。衝撃的な逆転劇に館内からはどよめきが沸き起こり、大きな拍手も発生した。草野は無傷の2連勝。敗れた荒雄山は1敗目を喫した。
先場所で110年ぶりの新入幕内優勝を遂げた前頭六枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)や2場所連続で11勝を挙げた小結・大の里(二所ノ関)をはじめ、肩の手術から復帰した十両八枚目・伯桜鵬(伊勢ヶ濱)など期待の新人が相次いで台頭しているなか、鳴り物入りで角界入りした“新たな怪物”草野。2番相撲でも底知れない実力を見せると、ファンからは「すご!」「そこから勝つんかいw」「つよいなぁ!」と驚きの声のほか、「これは大器」「落ち着いてる」「物が違うわ」と今後に期待するコメントも相次いで寄せられた。(ABEMA/大相撲チャンネル)