その背景の一つとして指摘されているのが日本の「リプロダクティブ・ヘルス」(性と生殖に関わる健康)に対する意識の低さだ。
もし、妊娠・出産時にかかる陣痛やつわりなどの大きな負担を軽減できるなら、あなたはどうする?
「自然分娩でもう“壮絶”を絶する…4時間半で安産と言われていたが全然安産じゃなかった。だいぶ叫んだ」(30代女性)
「前駆陣痛が結構きて、痛すぎて死んじゃうかと思った」(20代女性)
「腰が割れるかと思った」(60代女性)
壮絶な痛みを伴う出産。しかし、シンガポール在住の女性からはこんな話が…。
「シンガポールでは無痛が主流。痛みは全くなく、2人目を産むとしても絶対無痛だ」(40代女性・シンガポール在住)
一方、日本の無痛分娩の割合はわずか8.6%(厚生労働省 2020年発表)。アメリカやフランスなどは7割以上と世界と大きな差がある。
日本で無痛分娩が普及しないのは、病院のコスト面や麻酔科医不足などの理由で無痛分娩に対応している施設が少ないことが要因の1つとされている。
そんな中でも、無痛分娩を行った人に話を聞くと…。
「産むときはすごく楽でいつ出たのかわからない感じ。全然安らかだった」(60代女性)
「陣痛で痛い時間がすごく短くすんだので、その分気持ちに余裕ができてお産を貴重な時間として楽しめた」(30代女性)
なかなか普及しない無痛分娩。その最中、有名俳優が発した“無痛分娩おねだり発言”がSNSで議論となり、大きな批判の声があがった。
そして、妊娠の苦しみといえば、出産の時以外でも…。
「つわり結構ひどかった方で、妊娠初期から3カ月くらいからあって、2カ月で3~4キロくらい痩せた」(30代女性)
「歯磨きするのも“おえ”ってなるくらいだったので、口に何か入れるのもためらうくらい」(30代女性)
「食べてないと空腹だと気持ちが悪く、ずっと何かを口にしていた」(30代女性)
妊娠につきまとう「つわり」…。日本ではつわりに対する治療薬が承認されていないが、アメリカでは治療薬が承認され、服用できるようになっている。
「つわりの薬があれば飲みたかった?」という問いに30代女性は「あれば飲んでいた。仕事の合間にも“うえ”ってこみ上げてくるのも気持ち悪かったので、楽になりたいなと思っていた」と答えた。
つわり薬に対しては他にも「もし体に悪くなくて効き目があるなら試してみたい」(30代女性)「あったら飲みたいなとは思うが、影響があったら怖いので薬とかどうなのかな」(30代女性)という声も。
日本では妊娠・出産の負担軽減がまだまだ進んでおらず、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関わる健康)についての議論も不十分だ。
3児の母でハーバード大学医学部准教授の内田舞氏は日本における妊娠・出産について「日本では無意識に『医療は女性の生殖に介入してはいけない』という認識が広がっているようだ」と指摘した。
「アメリカではDiclegisという抗ヒスタミン製剤とビタミンB6を混ぜた“つわり薬”が普及しており、私も飲んだ。もちろん効果には個人差があって私の場合は完全に治ったわけではなかったが『1日中何もできない』という状況からは脱することができた。対照的に日本人にとって生理痛やつわりは『あって当然』であり、“手をつけてはいけないもの”のように感じる」
さらに内田氏は妊婦の権利について「医療とは病気でなくても体の負担を少しでも軽減するための手段を科学的に開発してきたものだ。私はその力を借りたい時は借りていいと思う。自分の体、そして自分の人生、その舵取りは自分でやってもいいはずだ。医学的に安全であるという前提の上で、妊婦の方にももう少し選択権があればいい」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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