【明治安田J1リーグ】FC町田ゼルビア 5-0 東京ヴェルディ(5月19日/町田GIONスタジアム)
自らの武器をおとりに使う狡猾なプレーだった。町田ゼルビアDF鈴木準弥は代名詞であるロングスローを使わず、一番近くにいた選手にスローインでボールを出した。相手チームの対策を逆手に取る頭脳派プレーをみせると、最後はフリーでボックス内にピンポイントクロスを届けてゴールを演出している。
町田ゼルビアは昇格組ながらJ1で首位争いを繰り広げている。彼らの代名詞となっているのが「ロングスロー」で、ボックス内に危険なボールを放り込むことでカオスを生み出してチャンスを作っている。
そんな中、東京ヴェルディ戦では、この最大の武器を餌に使う頭脳的なプレーが見られた。
町田ゼルビアが1-0とリードして迎えた29分、敵陣でスローインを獲得すると、いつも通り右SBの鈴木準弥がボールを手にした。いつもであればロングスローを放り込む場面だったが、このシーンでは近くにいた柴戸海にスローインでボールを出している。
この場面で東京ヴェルディは、ロングスローを警戒していたためボックス内に人を固めており、鈴木と柴戸へのマークが甘かった。これを逆手に取った鈴木はリターンパスを貰うと、フリーでボックス内にクロスを供給。これがFW藤尾翔太の頭にドンピシャで届き、貴重な追加点を演出した。
このゴールシーンについて、解説を務めた水沼貴史氏は「完璧だと思います。(東京ヴェルディは)ロングスローもあるのでスローインのケアもしないといけない。(町田ゼルビアは)1回投げてまた戻せば(鈴木のところで)フリーですし、余裕を持ってクロスを上げられる。中に人が揃っているので、ピンポイントじゃなくても誰かが触れます」と、作戦通りの形だったと分析した。
これにはファンも「クロスえぐいって」「最強だな」「藤尾覚醒!」「あかんまじで優勝してまう」「ロングスローだけじゃない鈴木w」「ロングスロー警戒させてこれね」「これはクロスがうまい」と反応。予想外のプレーに賛辞を送っている。
なお、この試合で5-0の大勝を収めた町田ゼルビアは、前節終了時点で首位だったヴィッセル神戸が敗れたため1位へと浮上。15試合を消化してトップに立つ彼らの力は本物なのかもしれない。
(ABEMA/明治安田J1リーグ)