2003年大阪府泉南郡熊取町七山で当時小学4年生だった吉川友梨さんが下校途中に行方不明になった事件から21年、大阪府警は新たな手掛かりとして「現在30歳になった友梨さんの似顔絵」を公開した。
【映像】当時28歳の小暮洋史容疑者「40代・50代の推定似顔絵」
当時現場周辺にカメラは設置されていなかった。捜査の頼みの綱となるのが情報提供だが、その数は年々減少。事件発生の2003年はおよそ1000件だったが2022年には262件になり、有力な手掛かりは得られていない。
行方不明者の捜索で最大のネックとなるのが歳月の経過による容姿の変化だ。友梨さんの似顔絵を大阪府警から依頼されたのは群馬県警の似顔絵捜査の達人、群馬県警科学捜査研究所の緑川順氏(65)だ。似顔絵捜査は40年以上となる第一人者。警察庁が指定する広域技能指導官で似顔絵分野では全国で緑川氏を含め2人のみ。
似顔絵は完成までには1年を要したという。緑川氏は「友梨さんの所見をとって両親の所見もとってどの程度成長するのかを推測するというのが始まり。捜査情報量が増えてまた発見されたという方もいる」「可能性があるならやらないわけにはいかない」と語った。
緑川氏は1977年に群馬県警の警察官となり、5年ほどの交番勤務を経て、絵の才能を買われて鑑識課へ。群馬大学医学部へ通って輪郭や骨格を研究し、イギリス留学で「復顔法(頭蓋骨の骨格から顔立ちを再現する鑑定技法)」を学んだ。東日本大震災では身元不明の遺体から顔を再現し特定につながった事例も多数あり、その実績は広く認められている
これまで描いてきた推定似顔絵は170枚以上だ。その中には似顔絵が逮捕の決め手になった強盗事件もある。緑川さんは1982年愛媛県松山市の「同僚ホステス殺人事件」の福田和子元受刑者の推定似顔絵や、1998年群馬県高崎市で一家3人が殺された事件で現在も指名手配中で当時28歳の小暮洋史容疑者の40代、50代の推定似顔絵も描いた。
元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏も、長年追いかけた手配犯の似顔絵を依頼していた。秋山氏は容疑者が逃走して11年が経過したときに緑川氏の存在を知ったそうで「描いていただいた直後に被疑者死亡で発見。11年経った被疑者の顔は似顔絵とそっくりで、とても驚いたことをいまも鮮明に覚えています。もっと早く緑川さんのことを知っていたらといまも後悔しています」とコメントした。
吉川友梨さんについての情報は、大阪・泉佐野警察署(072-464-1234、yuri@police.pref.osaka.jp)で広く募集している。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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