【写真・画像】「ポンコツ無能」「下級のくず以下」…上司が受ける“逆パワハラ” 臨床心理士に聞く対策 1枚目
【映像】「見た目通りのポンコツ 無能 給料泥棒」…あまりにもひどいメッセージの数々
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 奈良県の49歳の男性職員が上司に“逆パワハラ”をしたとして懲戒処分を受けた。

【映像】「見た目通りのポンコツ 無能 給料泥棒」…あまりにもひどいメッセージの数々

 男性職員は「私よりはるかに下級も下級のくず以下」「見た目通りのポンコツ 無能 給料泥棒」など、多いときには20回以上のメッセージを送っていた。

 そもそも“逆パワハラ”とはどのようなもので、防ぐ方法はあるのか? 明星大学心理学部教授で臨床心理士/公認心理師の藤井靖氏に聞いた。

 厚生労働省の資料によると、労働施策総合推進法において、職場のパワハラの定義は
1.優越的な関係を背景とした言動であって、
2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
3.労働者の就業環境が害されるもの
1〜3の全てを満たすものとされている。

 では、“逆パワハラ”は「1.優越的な関係を背景とした言動」を満たすのだろうか?

 厚生労働省は、部下が「業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難」「場合による行為で、抵抗又は拒絶することが困難な場合」についてはパワハラであるとしている。

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 パワハラと“逆パワハラ”について藤井氏は「上司は自分のマネジメントが問われることが多いので、実際には『“逆パワハラ”を受けているんです』という訴えに至らない事例も多いが、上司が部下の扱いに困っていたり、どう管理したらいいかわからないという相談は多い。実際、例えば部下同士の連帯が強かったり、スペシャリスト採用の部下、あるいはパートが圧倒的に多数だったりすると、心理的に上司より優位に立っているケースも少なくない」と実情を語った。

 今回のような「逆パワハラ」とまではいかなくとも、下からの突き上げや言動に悩まされる上司は数多くいる。その背景には「世代間のギャップもある」と指摘。

 「現在は部下が上司を評価する制度が取り入れられたり、より豊かで風通しが良いコミュニケーションが求められているため、部下も『言いたいことを言ってもいいんだ』と捉える傾向にある。また、中間管理職よりも上の立場の人は『言わなくても分かって欲しい、学んで欲しい』というスタンスなのに対し、若い世代はメッセンジャーなどで気軽に直接的に言ってくることもある」

 中間管理職は、そんな中でも部下たちをマネージメントしなくてはならず、大きなプレッシャーにさらされている。メンタルを保つ対策はあるのか?

 藤井氏は「部下から何かを言われてる時にそれが必ずしも『字義通り』であると受け取る必要はない。それぞれのコミュニケーションスタイルには“裏や意図”があるのだと相互理解することが重要。『こんなことを言われた。心外だ』と思った際に『これってどういう意味?』『なんでこんな言い方したの?』と部下に聞くと意外と強い気持ちや、想定したほどの悪い感情が背景にないことも多い。シンプルに、問題は部下自身の中にある場合もある」と述べた。

 加えて藤井氏は「さらに言うと、世代ギャップだけでなく、同じ世代でも人によってスタイルが違うので、普段から発言の意図やスタンスを確認することが予防になる」と指摘した。
 
 「最近は雑談も交えながら上司と部下が話す1on1面談を導入してる企業が増えているが、飲みニケーションの場だけではなく、業務時間内で『相手の価値観や感覚を理解しようとするスタンスを持ちつつ、でも指導もする』という両面を伴ったコミュニケーションをとるべきだ。どちらかに偏ると、どちらかの側に必ずフラストレーションが溜まる。結局ハラスメントはコミュニケーションと関係性の問題であり、その点をクリアにしていくことが問題解決の近道だ」

 最後に藤井氏は逆パワハラを受けにくい上司について、「単に社内の立場が上位ということに起因してではなく、やはり業務上、あるいは人柄的になど何か一つでも一目置かれている存在か、もしくは社内で重要な戦力と見なされている人。そういう人は仮にハラスメントに見舞われたとしても、フォローする人が多く組織内で放置されないため、リカバリーが早い」とした。
(『ABEMAヒルズ』より)

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