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【映像】“守らなかったら1000万…”被害男性の動画配信内容
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 多摩川の河川敷に放置されたスーツケースの中から男性の遺体が発見された事件で、逮捕されたのは元交際相手とその家族だった。なぜ家族ぐるみの犯行に至ったのか。元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏が取材した。

【映像】“守らなかったら1000万…”被害男性の動画配信内容

 被害者の原唯之さん(46)は動画配信サービスで人気の配信者だったという。容疑者は元交際相手の西髙舞容疑者(32)とその家族ら合わせて5人。原さんは手足を縛られた状態で見つかり、死因は窒息死とみられている。舞容疑者ら4人は殺害に関与した趣旨の供述をしているが、母親は否認しているという。

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 原さんは「唯我」という名前で動画配信者として活動していた。唯我さんについてITジャーナリストの三上洋氏は「ニコニコ生放送で配信をする人を“生主”と呼ぶ。有名な人を20人~30人と言ったら絶対入ってくる」と説明した。古参の配信者だった唯我さんはアウトロー系配信者とも呼ばれ、暴力団の相談役だった過去を自慢し、別の配信者とバトルを繰り広げることもあった。

 三上氏は「ニコニコ生放送の特徴は、長らく収益の方法がなかったこと。彼らはお金儲けのためにやっているのではなくて、本当に好きだから配信をして、みんなとコミュニケーションをして、自分の行動を見せるということを趣味としてやっていた」とした上で「人間なかなかそこまでネタがあるわけではないので、自分のすべてをネタにしていくというのが彼らのやり方」と説明した。

 舞容疑者は原さんと去年3月から交際していたが、その後関係が破綻したという。二人の間には金銭トラブルがあったとされ、唯我さんの動画配信仲間・みやびくんはこう証言する。

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「彼女のキャッシュカードを使って、彼女の同意の上だったが、お金を借りていて。お父さんもそうだし、本人もお母さんもいろいろと借金返済を待っていたが、返済されなかった。彼女が被害届を出したところから険悪というか二人は決裂した」(みやびくん)

 舞容疑者は取り調べで「原さんの動画配信がきっかけで、私や家族が暴言を受けるなど誹謗中傷されトラブルになった」と供述している。そのトラブルによってなぜ家族が犯行に加担する事態に発展したのか。

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 遺棄現場からおよそ1キロ離れた場所に容疑者家族が住んでいた都営住宅があり、舞容疑者と兄、母親の3人で暮らし、父親は離婚して千葉で暮らしていたという。容疑者の隣に住むMさんに話を聞くと、「(母親は)一度も見たことない。娘と息子には何回も会っている。ゴミを出したりなんだり、必ず二人で外出する。兄がボディガードのようだった」という。実は被害者の原さんと思われる男性の姿も目撃していたそうで「見たのは一回だけ。野球帽をかぶって、『こんにちは』と声かけられた」と話した。

 改めて事件の経緯を振り返る。捜査関係者によると、原さんが多摩川に遺棄されたのは2023年12月中旬とみられ、この頃、原さんは容疑者宅を訪れていたことがわかっている。その後、原さんを知る人たちの間では原さんが『行方不明になった』『何か事件に巻き込まれたのでは』と心配する声がSNSに書き込まれた。そして、原さんの遺体は12月29日に多摩川で発見された。完全犯罪を企んだのか、すでに死亡していた原さんのLINEを使って知人とやり取りするなど、偽装工作を行った疑いがある。

 家族ぐるみの犯行としてもう一つの謎が、父親・昌浩容疑者の存在だ。昌浩容疑者は妻・美保容疑者と離婚しており、一緒に暮らしてはいなかった。父親が暮らしていた自宅周辺で話を聞くと近隣住民は「そんな風には見えなかった」「『おはようございます』『どうも』と返してくれる、穏やかなご主人でした」と印象を語った。そんな昌浩容疑者がなぜ犯罪に加担したのだろうか。Mさんによると、昌浩容疑者と原さんとみられる男性が頻繁に都営住宅に出入りする姿を目撃したという。原さんは自身の動画内で「お父さんが入ってきて、金、金、金、金…全部俺が悪いみたいに」と語っていた。離婚し別居していた父親も金銭トラブル解決に関わっていたのだろうか。

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 明星大学心理学部の藤井靖教授は「内集団バイアスという言葉もあり、『うちの子が言うことが一番正しくて、それが尊重されるべき』となると、ちょっといびつな行動に出る。危機的な状況になればなるほど家族の一体感は高まり、お互いがお互いをより助け合って結びついてトラブルをこう乗り越えていこうという発想になるのが自然」とした上で、「遺体を自宅近くにとにかく早く捨てたい。誰かがそれを言い出して、みんなが同調したのではないか」説明した。

 事件を取材した秋山氏は、父親が犯行に加担したことについて「過去の捜査でもあったが、離婚しても舞容疑者にとってはお父さん。やはり溺愛している。お父さんからすると、舞容疑者が被害者に脅迫されたり、お金を使われたりしたということで、可哀想だな、舞のために俺が何かしてあげたいという気持ちで加担したと思う」とした。

 また、家族ぐるみで犯行に及んだことについて、「家族ぐるみの事件では、正当化する、被害者の悪口ばかりを言う。今5人のうち4人は自白している、殺害もほのめかしている状態。これは犯人の心理からすると、自分の不利益になることは隠そうとするが、被害者のことはいろいろ言う。自分たちを正当化して、被害者の悪口ばかり言っている状態だと思われる」と推察した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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