6月16日、プロレスリング・ノアが神奈川県の名会場、横浜文化体育館が建て替えられた横浜BUNTAIに初進出。『ABEMA presents GRAND SHIP 2024 in YOKOHAMA』を開催した。

 メインイベントは王者・清宮海斗に新日本プロレス BULLET CLUB WAR DOGSのゲイブ・キッドが挑戦するGHCヘビー級選手権試合。5.6『ALL TOGETHER』日本武道館のメインイベント終了後に清宮を襲撃してGHCのベルトを持ち去り、前哨戦では清宮を血祭りにあげるなど大暴走を続けてきたゲイブ・キッド。遺恨清算の決着戦でもあるGHCタイトルマッチは、両者流血の“血闘”となった。

 試合は開始早々からゲイブが清宮をリング外へと引きずりだし、客席にまで雪崩れ込んで闘う乱戦模様。ゲイブはパイプ椅子攻撃で清宮をまたしても流血に追い込むと、それだけでは飽き足らず、英語リングアナウンサーのG-manにも襲い掛かり、場外ブレーンバスターで投げ捨てる無法に出る。
 
 ここから執拗に清宮の傷口を攻撃するが、この蛮行に堪忍袋の緒が切れた清宮は、カウンターのドロップキックを機に反撃開始。コーナーでナックルの1ダース攻撃を仕掛け、背後からのリバース・フランケンシュタイナーで、ゲイブの脳天をマットに突き刺す。

 さらにエプロンサイドで背後からドロップキックを繰り出すと、その勢いでゲイブは頭から鉄柱に激突。そのままエプロンでのタイガースープレックスで投げ捨てると、今度はゲイブの額から血が流れ出した。
 
 顔面を血に染めたゲイブはここから逆に目がギラギラと輝きだし蘇生。コーナーに登ってのギロチンチョークで清宮を絞首刑にすると、垂直落下式ブレーンバスターから、ひねりを加えた高速バックドロップと大技を連発。

 清宮も投げっぱなしジャーマン連発からリバースDDTで反撃を試みるが、タイガースープレックスにいこうとしたところ、ゲイブはレフェリーをつかんで倒し、そのブラインドをついて急所蹴りで脱出する。

 そしてストンピングで踏みつけて唾を吹きかけると、怒った清宮もマウントパンチから唾のお返し。さらに強烈な往復ビンタでたまらずゲイブが場外にエスケープすると、清宮は対角線を走ってロープノータッチ・トペコンヒーロを決めた。

 そして再びリングに戻ると、雪崩式タイガースープレックスを決めるがカウントは2。粘るゲイブに対して清宮は、コーナーに飛び乗ってのブーメラン・シャイニングウィザードから、後頭部へのシャイニング。最後はLOVEポーズから渾身の変形シャイニングウィザードを決めて、仇敵ゲイブ・キッドからついに3カウントを奪った。

 両者流血の死闘を制し、見事GHCヘビー級王座初防衛に成功した清宮。試合後マイクをにぎり、王者として堂々と興行を締めようとしたところ、昨年末から海外武者修行に出ていた稲村愛輝ことYOICHI(ヨイチ)が登場する。

 YOICHIは清宮の目の前に立つと「清宮海斗、久しぶりだな。今、俺がこの場所に戻ってきたということは、わかるよな? 次は俺、YOICHIが挑戦するぜ!」と、GHCヘビー級王座に挑戦宣言。

 これに対し清宮も「YOICHI、海外から戻ってきてすぐ戻ってきて取れるほど、このベルトは甘くねえぞ! GHC挑戦? 100年早えんだよ! ただ、今日ここに出てきたおまえの気持ちだけは認めてやるよ。取れるもんなら、俺から取ってみろ!」と返答。

 YOICHIは清宮と睨み合い、一度は花道を戻ろうとしたところ踵を返し、握手を求めるふりをして無双でマットに叩きつけると、「生ぬるい革命家気取ってんじゃねえよ!おまえぶっ倒して、新しいNOAHの夜明けの始まりじゃー!」と絶叫。かつての盟友である清宮に文字通り弓を引き、宣戦布告した。

 これを受けて、7.13日本武道館大会のメインイベントで、清宮海斗vs YOICHIのGHCヘビー級タイトルマッチが決定した。

 この日は他に、7.13武道館で丸藤正道とWWEスーパースター、AJスタイルズの夢の対決が決定。長期欠場中だった征矢学が復帰を宣言し、前日の『ALL TOGETHER』北海きたえーる大会で新日本プロレスの内藤哲也に敗れたジェイク・リーが7.13武道館でのGLG解散を宣言するなど、大きな動きが続出。

 年間最大級のビッグマッチ、7.13日本武道館に向けてプロレスリング・ノアが風雲急を告げてきた。

(文/堀江ガンツ)
 

NOAHのエース清宮と新日本のベルト強奪犯ゲイブのGHC前哨戦 血まみれの終わりなき乱闘を展開 
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