「黒いバンド」を腕につけることで投球動作を数値化し、けがのリスクを抑えるデバイス。設置するだけで、サッカーの試合や練習を無人で撮影してくれるカメラ。
【映像】野球もゴルフも上手くなりそう! ここまで来た! スポーツテック活用の様子
いま急速に拡大しているのが、スポーツとテクノロジーを掛け合わせた「スポーツテック」の分野だ。
プロスポーツの世界ではスポーツアナリストの役割が重要視されるようになり、データの収集・分析が競技の結果に大きな影響を与える時代に。高校の部活などでも、最先端のテクノロジーを導入し、技術向上に取り組むケースも珍しくなくなった。
そんなスポーツテックの可能性を探るべく、AIや脳科学の専門家らによる情報処理学会が「スポーツ情報学研究会」を発足。日本スポーツ振興センターや大学、スポーツ用品大手のミズノなどの研究者が結集し、情報処理の観点からスポーツの発展に貢献することを目指している。
スポーツ情報学研究会でまとめ役を担う京都橘大学の松原仁教授によると、オリンピックは「プレイヤーの力と同時にその国の技術力の勝負になっている」という。
そんな中で研究会を設立する意義を次のように述べた。
「野球における研究がサッカーで生きるなどといったことは往々にある。そのため、スポーツごと、企業ごとに別々で分析していたものを情報交換することは日本のスポーツの発展のために大きな意味がある」
スポーツの領域におけるデータ分析が進むことで「上達スピードの向上」などの正の影響が期待される一方、AIが“理想的なフォームやプレー”などを導き出す結果として、スポーツが“その正解に近づける作業”になるという懸念もあるのではないか?
この点について松原教授は「AIが『ベストだ』と判断したプレーをどのプレイヤーもするというように均一化してしまうと、やっている人も見ている人も面白くなくなるというリスクはたしかにある。使い方を間違えると没個性化につながる点は注意したい。しかし、我々が考えているのは『個性に合わせた、それぞれの個人を伸ばす練習・プレーの提案』だ。個性を活かす形で伸ばしていけば日本選手の活躍やスポーツの発展につながっていくと思う」と説明した。
一方で、近年活用されている「AI審判」については、「どこまで使うのか」といった論点もあるという。
「審判もスポーツの一部であり、人間の審判の役割は大きい。我々情報学の分野は、審判のサポート役になれればと思っていて、必ずしも審判をなくそうという方向ではない。現在でも例えば、動きが高速で複雑な器械体操の採点において日本の会社が開発したシステムが世界的な大会でも使われている」という。
今後のスポーツと情報技術の関係については、「そもそもデータ解析も万能ではないため、『データはこう言っているが自分はこういうプレーをする』という判断も当然あり、観客も同じようなプレーではなく個性的なプレーに感動したいはずだ。あくまでデータ解析は人間の参考資料であり、それをどう使うかはプレイヤーや監督に任される、そういう形で進んでいけばいい」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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