いま日本で議論となっているのが、子どもが自身の遺伝的ルーツを知る「出自を知る権利」。第三者の精子提供による、AID(非配偶者間人工授精)と呼ばれる人工授精によって、国内では推定1万人以上が生まれたとされている。1949年に慶應義塾大学病院で初の出産が行われたが、精子提供者(ドナー)はプライバシー保護のため「匿名」が原則とされてきた。そのため精子提供者の情報を知ることができないのが現状だ。超党派の議員たちが仕組みづくりに向けて動いているものの、いまだ法案提出には至っていない。