【写真・画像】 1枚目
【映像】起死回生の右フック 一気呵成で逆転KO

 網膜剥離から復活、王者となり陥落後は連敗を続け2年間ほど勝ちなし。浮き沈みを経験した元王者がコーナーを背負いグラつきながら放った起死回生の右フック。気持ちの強さで引き寄せた劇的KO勝利を受け、涙ながらに「また弟に追いつきたい」と再スタートをファンに約束。タフな敗者の試合を止めたレフェリーの判断に実況は「賢明だった」との見解を示した。

【映像】起死回生の右フック 一気呵成で逆転KO

 6月23日に後楽園ホールで開催された「Krush.162」で、玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス)と桝本翔也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が対戦。試合は1ラウンド、桝本の剛腕にグラつき、コーナーを背負った玖村が右フック一発で形勢逆転。怒涛の追撃で打たれ強さに定評のある桝本からKO勝利を奪った。

 弟は第6代Krushスーパーバンタム級王者の将史。兄弟揃ってKrush王者の経験を持つ玖村兄弟の兄・修平は、弟の活躍が注目を集める中、自身は全盛期に網膜剥離での戦線離脱などを経験。復帰後は勝ちを重ねてKrushフェザー級を戴冠したが、王座陥落後は軍司泰斗や斗麗など強豪相手とはいえ3連敗と苦しい状況が続く。同じく近年九州で試合を重ねる桝本も番狂わせの”王者殺し”で知られる。しかしKrushでは2019年以降4連敗と4年間勝ちなし、久々の参戦で結果が欲しいところだ。

 中堅ファイターとして、ともに後がない二人にとっては再浮上を見据えての重要な一戦。試合開始とともにロー、ミドルと鋭い蹴りをみせる玖村に、桝本は圧をかけつつ慎重な立ち上がり、コーナーに追い詰めて振るう左の一発が怖い。

 一方の玖村も距離を保ちつつ落ち着いた戦いを見せ、顔面へのストレートの連打でパンチを叩き込むと桝元の顔面が後ろに仰け反る場面もみられる。それでもお構いなしに桝本は前進、ローを浴びながらもロープ際へ距離を縮めると1ラウンド開始一分、せきを切ったように両者が打ち合いを開始する。
 
 コーナーに詰めての剛腕パンチやボディショットなど桝本が得意とする追い込みの場面。このまま勢いに飲み込まれるか…という場面で玖村の右フックが炸裂。一瞬グラついて腰が沈んだ桝本だが、ここはノーダウン。玖村に抱き着くように踏みとどまった桝本だが、一気呵成の玖村が左右の連打で再び桝本をとらえ、最初のダウンを奪う。

 一発が効いた桝本はすぐにファイティングポーズを取り戦いの意思をみせるが明らかに足元はおぼつかない。そこへ玖村が的確に左右のストレート。シャープなパンチが次々と顔面を捉えていく。桝本もグッとダウンを堪えるが、もはや立っているのがやっとの状態だ。次々と玖村がフックを当てたところでレフェリーが割って入り試合を止めた。
 
 最後のKOシーンについては「もはやサンドバック状態だった」「無防備すぎる」「ナイスストップだ」とレフェリーの判断を支持するファンが大勢。一方では「止めるのが早すぎるのでは?」という疑問の声も。
 
 そんな反応を受けてか、ABEMA解説の石川直生は「レフェリーのストップは賢明ですよ。桝本選手は倒れないからこそダメージが蓄積しているので」とレフェリーの判断を尊重。この日のゲスト解説で元プロボクサーの細川バレンタインに「ボクシングであれだけ打たれたら止めますよね?」と確認。細川も「はい、そうですね」と納得の様子だった。

 紆余曲折ありながら再スタートを切る幸先のよい勝利となった玖村は感極まったか涙ぐみながら「ベルトもなくなって、2年間勝てませんでした。このためにずっとトレーニングを続けてきて、良かったです」とホッとした様子のマイク。さらに真っ直ぐ前を向き「もう一度”玖村兄弟”とみんなに応援してもらえるように、弟に追いついて頑張ります」と宣言。7月にトーナメント参戦を控えている弟・将史の応援をファンにお願いした。

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