【写真・画像】若者にも増える“スマホ老眼” 「手元で見ていることが問題」 チェックリスト&目にまつわる“都市伝説”のウソ・ホント 1枚目
【映像】“目からスマホまで20cm”の実際の距離感
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 エンジニアのひろきさん(29)が3年前に眼科で診断を受けたのが、「スマホ老眼みたいな状態になっている」。スマホなどの使い過ぎが原因で、近くの物にピントが合いにくくなり、いわゆる老眼のような状態になること。デジタル社会の今、若い人の中でもスマホ老眼が増加しているという。

【映像】“目からスマホまで20cm”の実際の距離感

 ひろきさんは会社がフルリモート勤務になり、1日10時間は画面を見ているというが、これは驚くべき数値ではない。日本デジタルデトックス協会の推計によれば、スマホやパソコンで仕事する人の平均利用時間は9時間45分にもおよぶ。

 二本松眼科病院の副院長・平松類氏は、「問題はスマホそのものでなく、手元で見ることにある」と指摘する。「目は約1〜2m先を見るのが最も自然と言われていて、あまり手元を見るようにできていない。スマホは約20cmの距離で見て筋肉を使うため、離したほうがいい」。『ABEMA Prime』ではさらに、平松氏に目の健康や都市伝説について聞いた。

■“スマホ老眼”チェックリスト

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 平松氏が監修したスマホ老眼のチェックリストがある。

□スマホを使う時、目と画面の距離が20cm
□寝転んだ状態でスマホを操作することが多い
□スマホに夢中でまばたきを忘れがちになる
□スマホやPCの画面を目より上にして見ていることがある
□スマホでの動画視聴やゲーム操作を1時間以上連続して行うことが多い

 平松氏は「1つでも当てはまる=スマホ老眼ではないが、疑いがありチェックが必要だ」と説明する。「スマホ老眼は病名ではなく、医学的には“調節機能不全”という。若くても老眼のような症状を訴える時のわかりやすい呼び方だ。スマホを使っていなくても、遠くは見えるが手元が見づらい、もしくは疲れる症状が多い」。

 また、自分でできる簡易チェックの方法として、「人指し指を両目の間に置くとぼやけるが、段々離していくとあるポイントでしっかり見えてくる。それが30cmよりも手前ならOKで、30cmより離れると注意が必要だ」と述べた。

■「緑を見る」は目に良いってホント?“都市伝説”を聞く

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 スマホ老眼に加えて、目にまつわる“都市伝説”の真偽も聞いた。

・緑を見るのが目に良いって本当?
 ポイントは「緑」ではなく「距離」にあり、遠くを見ると近視が進行しづらく、遠くに緑があることが多いだけだという。「鉄塔などでもいいが、遠くのものを見ることで近視が進行しづらくなる。アメリカの学会では、モニター使用時に『20分に1回20秒間、6m以上先を見ろ』と言うが、現実的ではない。一般的には、1時間に1回程度でいいのではないか」。

・光っているモニターを見るとダメ?
 光は視力とはあまり関係がないという。スマホやPCなど電子機器で重要なのは、使用頻度ではなく対象物との距離。電子機器でも、より大きいデバイスを使うことを勧める。とはいえ、デジタルデバイスが発する強い光はまばたきの回数を減らし、目を疲れやすくする側面も持つそうだ。また勉強なども近視の要因となり、「親はよく『ゲームはダメ』と言うが、勉強や本を読むことも近視を進める」とする。


・カラーコンタクトはダメ?
 カラコンなどは酸素透過率が低く、装着している間、黒目が酸欠状態になってしまうと指摘。続けて使用していると、黒目が小さくなってしまう可能性もあり、「リスクを下げるために必要な時だけ使う」との回答を示す。「消費者センターで調べると、色素が溶け出すような怪しいカラコンもある。きちんとした性能のカラコンでも、透明なコンタクトと比べると性能は劣る。外す時間を長くするなどの注意が大切だ」。

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・ブルーライトカットってどうなの?
 これには「正直、あまり効果がない」と指摘。市販のブルーライトカットメガネはカット率が20~60%程度で、良くも悪くもなく、あえて使う意味はないという。子どもの使用については、臨床眼科学会など7学会が「基本的に推奨しない」と声明を出しているということだ。一方、UVカットに関しては、「ある程度効果があるというデータが出ている。UVをカットしないと、白内障や目が傷つくリスクが高まるデータがある」とした。

・3カ月以上前の目薬は使っちゃダメ?
 目薬の容器は外から不純物を取り込みやすい構造で、「古い目薬は感染症の元」になり得ると指摘。薬液が残っていても惜しまず3カ月で買い替え、手軽に捨てられるように値段の安いもので十分だと勧める。また、目薬を差したら「まばたき」せず、しばらく目を閉じるのが良いということだ。点眼後にそっと目を閉じ、目薬が眼球に行き渡るように目頭を軽く抑えることを推奨した。

・コンタクトよりレーシックやICLが良い?
 レーシックやICL(眼内コンタクトレンズ)をしたからといって、「視力の低下が進行しない」わけではないという。視力が良くなったため眼科に行かなくなること、見えることに安心して放置してしまい、緑内障や他の病気を併発する可能性もあると懸念を示す。「メガネがいらなくなると思いきや、ある程度の年齢になると老眼になることは忘れてはいけない。また、手術自体のリスクもある」。

■眼科に行かない現代人のリスクとは?

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 ジョンソン・エンド・ジョンソンのビジョンケア カンパニーによる2020年の調査によると、眼科検査は「受けたことがない」が15%、「2年以上受けていない」が35%で、合わせると半数以上を占める。

 平松氏は「少し目に疲れを感じても、ちょっと寝れば治ると思う人が多い現状がある」と指摘。「メガネでも2〜3年でコーティングがはがれたり、度の変化があったりするように、定期的な目のチェックは必要だ。また“視力がよければ大丈夫”と考えがちだが、日本人の失明原因トップの緑内障は、末期まで視力が1.2ある人もいる。視力があっても目が悪くなる病気はたくさんある」と述べる。

 また眼科受診について、「年1回が好ましいが、せめて健康診断で眼底カメラを撮っておくと、さまざまな対応ができる。かつての健康診断では比較的行われていたが、今は9割以上が視力しか測定されない」とした上で、「目を使い過ぎないように気をつける。なかなか眼科に行きづらいと思う人も多いが、ちょっとしたことで行っても問題ない」と呼びかけた。(『ABEMA Prime』より)

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