【写真・画像】ワンオクTakaも…20代に多い「パニック障害」 生活への影響と治療法は? 1枚目
【映像】「そっとしといてください」「軽く流してもらえたら、それだけで十分救われる」Takaさんのコメント
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 2007年にメジャーデビューし、武道館、アリーナやドームツアーなどを成功させ、世界的に活躍する人気バンド、ワンオクロック。

【映像】「そっとしといてください」「軽く流してもらえたら、それだけで十分救われる」Takaさんのコメント

 ボーカルのTakaさんが、7月2日のインスタライブでパニック障害を抱えていることを明かした。

 Takaさんは「心臓というか、鼓動が速くなったり、汗かいたり、不安になってその場にいられなくなったり」など、その場の状況や精神状態によって症状が出ると説明。先日、新幹線に乗る前に症状が出てしまい、声をかけてくれたファンへの対応に後悔していることも明かした。

 Takaさんは「こういう障害と向き合って生きていくために、ちゃんとオープンにしていった方がいい」とした上で、次のように呼びかけた。

 「マジで心配はしてほしくなくて、たぶんこういう症状を持っている人ってたくさんいると思うんで、そういう時はそっとしといてください。軽く流してもらえたら、それだけで十分救われるんで」

 この動画に対して、「大変だと思うけど、ゆっくり付き合っていってね」「心も体もゆっくりできる時間を持てるといいな」など、様々なコメントが寄せられた。

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 最近は活動休止の理由にパニック障害を挙げる著名人も多く、誰もが突如発症する可能性がある。パニック障害はどのような環境でどういった症状が出るのだろうか?

 府中こころ診療所院長で精神科医の春日雄一郎氏は「主には満員電車や人が多く乗ったエスカレーターなどの閉所、出られない場所において発作が出やすい。また、MRI検査や夜間の自宅などでも発作が出ることがある。症状としては強い緊張が生まれ、その結果、精神的な危機感、不安や恐怖が生じる。近年よく耳にする自律神経失調症が急に強い形で現れたような動悸、めまい、手のしびれなど、様々な症状が出ることがある」と説明した。

 さらに春日氏は「夜間の自宅」という一見閉所ではない場所で発作が出やすい理由について「『(外に)出られない』と自分で感じてしまうことがある。そして、夜間の自宅では考えすぎてしまうことでストレスが多くかかって精神的な閉塞感が出てしまうことが背景にあるのでは」と分析する。

 パニック障害を発症した人の生活にはどういった影響が出るのだろうか?

 春日氏は発作の記憶による影響を挙げる。

 「パニック障害は繰り返し起こってしまうため、かなり精神的に不安定になることがある。加えて、発作がかなり強烈で印象に残ってしまうため『また発作が起こるのでは』という『予期不安』によって緊張が強くなることで発作が起きやすくなることも。パニック障害を発症した方は発作を防ぐために、満員電車などの苦手な場面を避けることによって生活範囲が狭まってしまう」

 パニック障害に苦しむ人はどの程度いるのか? 春日氏によると、アメリカにはDSM-5という診断基準があり、全体の2〜3%が該当する。日本では1〜2%という説もあるが、実際にはまだ診断を受けていない人も多いとみられるという。

 パニック障害になる人に傾向は見られるのだろうか? 

 「平均の年齢は25歳前後と言われることが多い。まだわかっていない部分も多いが『緊張を強いられることが多い』『プレッシャーやストレスが続く』という状況で発作が起こることが多い」

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 パニック障害になった場合、どのような治療があるのだろうか? 春日氏によると、パニック障害の影響は強いものの、治療法は比較的確立しているという。

 「一つ目は薬物療法だ。薬は抗うつ薬SSRIを用いて脳のバランスを取ることで、徐々に不安を減らしていく。もう一つは『系統的脱感作法』。これは不安が減ってきたら苦手な場面に対し少しずつ慣らしていく方法だ。例えば電車であれば、まず、すいた電車に1駅乗り、次にすいた電車に3駅、次にやや混んだ3駅などと慣らしていく。とはいえ、一気にやってしまうと発作が起こって逆効果になってしまうため、少しずつ慣らしていく。パニック障害で問題となるのは、不安から様々なことが狭まってしまうことだ。これに対し、少しずつ向き合いつつ克服していくのだが、時間はかかってしまう。例えば電車が難しければ他の移動手段を使う、混んでいる電車を使ったら次はすいてる電車でカバーするなど、短期的に対処しながら長期的に向き合っていく」

 症状の改善には一般的にどの程度かかるのか?

 春日氏は「何をもって“改善”とするかで少し変わってくるが、まず治療を始めて、薬が効いてきて発作自体が十分減るということに関しては、早い方であれば2週間、一般的には1カ月から2カ月ほどかかる。『活動範囲が戻る』というところまでとなると、徐々に戻していく必要があるため、半年から2年ほど。そして、最終的に『もう薬がなくても大丈夫』という状態になるにはさらに半年から1年ほどを見込むことが多い」と実情を語った。

 さらに春日氏はパニック障害かどうか見極めるポイントとして「1回だけだと確かに一過性の場合もあるが2回、3回と繰り返す場合、そして予期不安などで生活に影響が強く出るようなら早めに診察を受けた方が良い」と解説した。

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 もしパニック障害の人に助けを求められたら、周囲の人はどのようなサポートができるのだろうか?

 春日氏は「もし当事者が頓服薬を持っている場合はそれを飲んでもらうことが大切だ。そして緊張状態を軽減する必要があるため、もし座れる状況なら座ってもらう。加えて、リラックスできるイメージを持ってもらったり、話をすることで関心を外に向けさせたり、窓を開けたりすることも有効だ。また、電車に乗っているケースにおいては、時間が許せば次の駅で降りることでだいぶ楽になることが多い。倒れるなど緊急性が高い場合は乗務員の方を呼ぶべきだ」と説明した。
(『ABEMAヒルズ』より)

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