世界最高峰NBAで日本人最長となる6年間プレーした男、バスケ日本代表・渡邉雄太。そんな渡邉がアメリカで認められたプレーがある。
渡邉は2018年10月にメンフィス・グリズリーズに入団し、日本人2人目のNBAプレーヤーとなった。しかしNBAデビュー当時の渡邉の待遇は「2Way契約」で、下部リーグに所属しながらNBAに最大45日間しか帯同できないというもの。崖っぷちの日々が2年も続いていた。
NBA3年目にトロント・ラプターズに移籍した渡邉は、ミネソタ・ティンバーウルブズ戦でアンソニー・エドワーズのダンクシュートをブロック。ダンクシュートは成功し、渡邉は吹き飛ばされたが、このプレーにこそ彼のバスケへの信念が込められていた。
渡邉は「あの場面でNBA選手の99パーセントの人はあそこは絶対にブロックに飛ばないというか、絶対によけると思う」と、ダンクをブロックすることのリスクの高さを説明。しかし渡邉は「99回失敗しても、1回の成功のために飛ぶ」という選択肢をあえて選ぶという。
「僕はまた飛びます、絶対に。よけるという選択肢は僕のなかには絶対にあり得ないです」と力強く語った渡邉。その姿勢はアメリカメディアでも絶賛され、ファンの心に刺さった。
2か月後、渡邉は初めて出場試合数の制限がなく、待遇も大幅に改善された正式契約を勝ち取った。そして2022年のNBA5年目では強豪ブルックリン・ネッツと契約。3ポイントシュートの成功率で一時NBAトップになるなど、大活躍をみせた。
(『バスケ☆FIVE 日本バスケ応援宣言』より)