42歳の”生ける伝説”が、現役トップの実力者と真っ向勝負。拳を交え激闘を繰り広げたが、戦慄の右ハイを被弾して衝撃のダウンを喫した。フルラウンドの末に0-3で判定負けとなるも、ファンからは驚きと感動、感謝の声が多く寄せられた。
東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された「K-1 WORLD MAX 2024」で、ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)とストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア)が-70kg 世界最強決定トーナメント準決勝第1試合で対戦。結果は3ラウンド判定3−0でストーヤンが尊敬するレジェンドから価値ある勝利を飾った。
かつて「K-1 WORLD MAX」で魔裟斗らと激戦を繰り広げた”生ける伝説”ブアカーオが42歳で再び過酷なトーナメントのワイルドカードに挑戦。初戦の相手はGLORY世界ライト級のランキング2位の実績を持つ強豪ストーヤンとなった。
この日ABEMAの解説を務めたかつてのライバル魔裟斗が「ドキドキするなぁ」とやや緊張気味に語ったブアカーオのK-1復帰マッチは、開始から近い距離での攻防。ブアカーオの強い前蹴りに対し、ストーヤンも強いミドルやインロー、高速バックブローなど互いにアグレッシブに攻め1ラウンドを終える。ブアカーオは相手の打撃をギリギリのスウェイでかわすなど、40代となりファイトスタイルを変えつつも年齢相応のペースに合わせた戦いで、現役トップファイターと互角の戦いを展開する
2ラウンド、足をとめた打ち合いでストーヤンの連打が冴える。やや受け身の戦いを見せるブアカーオについて魔裟斗は「余り動かないで省エネで戦っている、ちょっと休んでますね」と指摘。ラウンド中盤にはミドル、反則ながら掴みでの引き倒しなど荒々しい戦いをみせるが、ラウンド終了間際にストーヤンの振り上げるような右ハイを被弾。ブアカーオは腰から崩れ落ち、最初のダウンを奪われる。
ワンダウンを先取された状況に魔裟斗の「もう省エネでは戦えない」と指摘。その言葉どおり、最終3ラウンド、ブアカーオは得意のミドルを序盤から繰り出し反撃に出る。ボディからワンツーと一気に前に出るが、ストーヤンはガッチリガードを固めやや守りの姿勢で巧みに試合をコントロールする。後がないブアカーオは掴みの反則で警告を受けながらも、残り時間も前に出続けたが、判定は3-0でストーヤンの勝利となった。
魔裟斗は「2ラウンドのダウンがストーヤンは大きかった」と総評。“生ける伝説の”K-1 MAX再降臨に期待していたファンからは落胆の声も聞こえたが、フルラウンド戦い抜いた姿に「ブアカーオやっぱり化け物だった」「胸アツだった」「それでもすげぇよ」「それでもここまでやれるのは凄い」「現役の世界のトップとここまで競えるとは」と40代の大健闘を讃える感動と感謝の声が相次いだ。