鬱憤を晴らした棋士に疲れなんて関係ない！将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Bリーグ第3試合、チーム永瀬 対 チーム菅井の模様が7月13日に放送された。試合はスコア1-5でチーム菅井が敗れ、予選敗退が決まったが、この試合唯一の勝利を上げたリーダー菅井竜也八段（32）が、3連投の末に待望の白星をゲットした後「もう一回行ってもいいですか？」とジョークを飛ばし、仲間を大笑いさせる場面があった。
チーム菅井は初戦となったチーム斎藤にスコア1-5で敗れ、試合開始前時点の得失点差は－4。本戦出場には、チーム永瀬にただ勝利するだけではなく、スコア5-2以上で勝つ必要があり、つまり3敗した時点で予選敗退となる崖っぷちだった。しかし第1局で丸山忠久九段（53）が敗れると、第2局は菅井八段がリーダー自ら登場するも、永瀬拓矢九段（31）とのリーダー対決で惜敗。早くもカド番に立たされると第3局も菅井八段が連投したが森内俊之九段（53）とのねじり合いに屈し、チーム3連敗であっさりと予選敗退が決まってしまった。
第4局以降は、いわば消化試合。なかなかモチベーションを生むのが難しいところでもあったが、そういう時でも全力で指すのが棋士。すると作戦会議では、2連敗していた菅井八段が「ストレス解消」とばかりに、まさかの3連投で出場することになった。
相手は第2局で敗れた永瀬九段だったが、この一局は菅井八段が序盤から終盤まで相手にペースを握らせない完勝に。佐藤康光九段（54）、丸山九段のもとに戻った菅井八段は「今さらですけど」と言いつつ、すっきりした笑顔になった。するとオーダー決めではルール上、まだ出場していない佐藤九段が出なければいけないところだったが、「もう一回、行っていいですか？」とジョークを一発。一気に雰囲気が明るくなると、佐藤九段も「カードがないんですよ」と、出場者を示すカードの中に、3局戦い切った菅井八段のものがないと伝えつつ、笑顔で返していた。
このやり取りには、ファンもほっこりしたようで「わーい！わーい」「ルール無用のナイスガイ」「守りたい、竜也の笑顔」「４回目！」「笑顔が戻って良かった」と盛り上がっていた。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
