7月13日、東京・日本武道館でプロレスリング・ノアが2024年最大級のビッグマッチ『ABEMA presents DESTINATION 2024』を開催。丸藤正道とWWEスーパースター、AJスタイルズの夢の対決をはじめ好カードがズラリと並ぶ中、大トリとなるダブルメインイベント2を務めたのは、清宮海斗vs YOICHIのGHCヘビー級タイトルマッチ。

 今回が2度目の防衛戦となる若き王者・清宮に、約9ヶ月間のヨーロッパ武者修行から凱旋帰国した稲村愛輝あらためYOICHIが挑戦した新世代GHC戦は、現在進行形のNOAH最先端の激闘を展開してみせた。

 試合は序盤から、海外で身体を絞り筋力を増す肉体改造に成功したYOICHIがエネルギーを爆発。清宮のリープフロッグをリフトアップスラムし高速旋回式ボディスラムでぶん投げると、ロープ際の弾丸スピアーで自分もろとも清宮を場外に叩き落とす。この暴れっぷりに場内は早くも「YOICHI」コール。

 YOICHIのパワーに対して清宮は、武藤敬司との一連の闘いから磨いてきたグラウンドレスリングでペースを握り返すと、豪快なジャンピングニーを連発して、場外に落ちたYOICHIに対角線トペコンヒーロ。さらにシャイニングウィザードで追い込んでいく。

 それでもYOICHIのパワーは衰えず、ネックハンギング式のシットダウンパワーボムで清宮をマットに叩きつけると、コーナー最上段からロープをお大きく揺らしてのダイビングボディプレス。この豪快な一撃に場内が沸く。

 勝負と見たYOICHIは弓を引くポーズから、清宮を担ぎ上げて変型スプラッシュマウンテンを狙う。これは回避されるが、清宮のシャイニングウィザードをキャッチすると、“稲村愛輝”時代の必殺技・無双を爆発。さらに清宮の変型タイガードライバーを食らうも立ち上がり、ついに変型スプラッシュマウンテンを決めるが、これは惜しくもカウント2。

 ここからスタミナの化け物である清宮の本領発揮。YOICHIのぶちかましをフランケンシュタイナーで切り返すと、スタンド式シャイニング、後頭部へのシャイニング、さらにコーナーからのブーメラン式シャイニングと、七色のシャイニング弾を叩き込み、最後は正面からオリジナルの変型シャイニングウィザードを完璧に決めてカウント3。粘るYOICHIを切って落とした。

 試合後、マイクを握り「NOAHの未来どうですか? 明るくないですか?」と、笑顔で問いかけた王者・清宮海斗。直前の試合、丸藤正道vs AJスタイルズの“名人戦”に沸いた余韻を消し去り、生え抜きふたりのGHC戦で武道館を爆発させたその姿は、間違いなくNOAHの未来を明るく照らすものだった。

文/堀江ガンツ

YOICHI「持てるものをすべて使って、清宮海斗を上回る」海外武者修行での“心技体”アップデートでGHCヘビー戴冠にみなぎる自信
YOICHI「持てるものをすべて使って、清宮海斗を上回る」海外武者修行での“心技体”アップデートでGHCヘビー戴冠にみなぎる自信
まるで“プロレス名人戦” AJスタイルズと丸藤正道、ひらめきと引き出しの多さが際立つ崇高な戦いはAJに軍配
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