【明治安田J1リーグ】横浜F・マリノス 4-1 鹿島アントラーズ(7月14日/日産スタジアム)
鹿島アントラーズの指揮官が激昂するのは、この試合で二度目のことだった。突破を試みた鹿島のFW鈴木優磨とそれを阻んだ横浜F・マリノスのDFエドゥアルドの交錯シーンが、ファウルだったか否かで波紋を呼んでいる。
注目のシーンは、横浜FMが3-1とリードで迎えた77分だった。メインスタンド側で両チームによる鋭いトランジションで攻守が目まぐるしく入れ替わるなか、タッチライン沿いでボールを収めたFW名古新太郎が前方へパスを送ると、FWチャヴリッチが胸でボールを落とし、右サイドに開いていた鈴木がファーストタッチで突破を試みた。
しかし次の瞬間、横浜FMのDFエドゥアルドが勢いよく身体を投げ出す。強烈なスライディングタックルはボールをタッチラインの外に掻き出すと。しかし同時に、足裏を見せる危険なタックルでもあり、鈴木は右足を抑えて倒れ込んだ。
この攻防を目の前で見ていた鹿島のランコ・ポポヴィッチ監督は、ノーファウルの判定に納得できない様子。試合開始早々の6分にも、名古に対する同じエドゥアルドの足を刈るタックルがノーファウル判定となって激昂していたセルビア人指揮官は、再び声を荒げながら主審に猛抗議。右足を上げてエドゥアルドの足裏が鈴木の足に入っていたとジェスチャーでアピールした。
ただ、第4審も一連の攻防を目の前で確認しており、正当なタックルだと解釈した模様。解説を担当した松原良香氏は、「(エドゥアルドのタックルは)ボールには行きましたけど、足の裏は向いていましたね。今日は鈴木のところにマリノスの選手がかなり激しくいって止めているようなシーンが多いですね」とコメントした。
とはいえ、エドゥアルドの足はボールにはアタックしているものの、足裏を見せる危険なタックルだったのは事実。最新の競技規則では、無謀なタックルは警告、相手の安全を脅かすタックルは退場の対象になりうると定義されているだけに、サッカーファンはSNSでそれぞれの意見をコメントしている。
「これはナイスディフェンス」「危なっかしいけどノーファウル」などの声は少数派で、「あぶねースライディングだな」「怪我するだろ!」「ガッツリ足裏で足上げてるしボールに少しでも行けてなかったらレッド案件」「足裏当たらなきゃファールじゃないって意味わからん」など意見が大半を占めた。エドゥアルドは43分に名古に対するタックルでイエローカードをもらっていただけに「2枚目のイエローで退場じゃない?」「退場じゃない?」などのコメントも出ている。
その後、横浜FMが後半アディショナルタイムに1点を追加し、4-1でタイムアップ。鹿島は連勝とはならなかった。一方の横浜FMは5試合ぶりの勝利を手にしたが、クラブは7月16日にハリー・キューウェル監督との契約解除を発表している。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)