「やや戸惑ったようなところもあるが、県民が安心して笑って過ごせるような県政に全力を挙げるのが私の役割だと思っている」(山形県 吉村美栄子知事)
【映像】苦笑いをしながら「1日1回笑う条例」について話す知事
そう語る知事の表情は、苦笑い。議論を呼んでいるのは7月5日に山形県議会で成立した「笑いで健康づくり 推進条例」だ。
笑いに関する条例の制定は全国で初めてとみられ、県民には、こんなことを求めている。
「1日1回は笑うことなどに努める」
条例案を提出した自民党の議員にその狙いを聞いてみた。
「笑うことについては特段労力もお金も必要なく、その場ですぐ笑えるということで、健康づくりに非常にいい」(自民党 渋間佳寿美県議)
また、毎月8日を「県民笑いで健康づくり推進の日」と定めることも盛り込んだ。しかし、笑いとは本来自発的に生じるものであり、それを条例で定めてしまうことに議会では「内心の自由を侵しかねない」といった異論も出た。
「世の中には笑いたくてもなかなか笑えない人もいる。その人たちの日常を条例で縛るのか」(反対派 県政クラブ 石黒覚県議)
条例に詳しい専門家はこうコメントする。
「1日1回笑わないといけないと条例で定めることによって、『笑うわけないじゃない』という反応を呼び起こして笑わせるという、最初はそういうギャグかと思った」(一橋大学大学院法学研究科 市原麻衣子教授)
このような人の感情に関する条例は各地で増えつつある。
埼玉県川口市では去年「大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか 川口プライド条例」という条例が成立した。「川口プライド」を育むことが目的だというが…。
「ちょっと恥ずかしいかな~言いたい人が言えばいいんじゃないですかね。まあ別に条例にしなくてもいい」(20代女性)
「(条例は)知ってますが、叫んではいない。住んでる人間としてはその条例を意識してることも特になく、自分は叫ばないと思う」(40代女性)
「みんな心の中でずっと叫んでると思いますが、声を出しては特に…でもずっと大好きです」(40代男性)
こうした市民の気持ちに働きかける条例は他にも神奈川県相模原市や、愛知県豊田市などで近年相次いで制定されているが、専門家はこうクギを刺す。
「各自治体が、笑いの重要性を啓発し、地元愛のようなものを活性化させたいという気持ちは分かるが、それはおそらく本来は条例でやるべきことではない」(市原教授)
※これはテレビ朝日「グッド!モーニング」で放送した内容をABEMA TIMES編集部で記事化したものです。
本記事は自動文字起こしツールや生成AIを利用していますが、編集部の確認を経て公開しています。