政治とカネをめぐり、自民党派閥の裏金問題で東京地検特捜部は自民党派閥の裏金問題で刑事告発されていた派閥幹部や会計責任者8人について嫌疑なしで不起訴処分に。さらにキックバックを受けていた国会議員らも嫌疑不十分で不起訴処分となった。
立憲民主党最高顧問で元総理大臣の野田佳彦氏は、裏金問題について「司法がそういう判断ならば、自民党が不祥事を起こした以上はもっと厳しいケジメ、処分をすべきだった」と苦言を呈し、この件は政治資金規正法違反ではなく脱税行為ではないかと語ると「国民は納税者として税金を納める気がなくなるので、一番深刻な政治不信だ」と糾弾した。
「政治倫理審査会に来て『説明責任を果たせ』といって出てきた人が82人中9人。出てきた人もきちんと本当のことを言ったかというと違う。会計責任者が法廷で証言していることと、まったく真逆」と指摘すると「(キックバックを)復活させた当事者たちが『私は関係なかった』と言っている、これはちょっとひどすぎる」と憤った。
さらに「解明していない、誰も本当のことを言っていない、ケジメは甘いと。ケジメというのは500万円が基準だった。500万円以上裏金作った人は処分、これが39人。500万円未満は処分なし。去年の10月1日からインボイスが導入されて、1円たりとも税逃れができない体勢になって真面目にコツコツ国民は税金を納めている。でもなんで500万?事実上の脱税が許されるのだと。この怒りは消えない」と続けた。
ジャーナリストの青山和弘氏は「今回の自民党の裏金問題というのは、まだ誰がなんのためにやったかがわからない。真相究明ができていない」と解説すると「『火の玉になる』といっていたのに岸田氏はそれを逃れた社長。真相究明しないで再発防止の責任だけ取らせた。岸田氏の罪は重い」と岸田文雄総理大臣を非難した。
野田氏は「議員にケジメを求める前に、トップの責任論がある。トップが責任取らないから全体のタガが緩んでいるように見える。それは一言で言うと反省がないということに尽きる」とコメント。
政治資金規正法については「ちゃんと究明ができていないから、なにをどういじったら変えられるのかが結びついていない」と指摘すると「今回の裏金だけじゃなくて最近スキャンダル、不祥事が多い。その原因、大玉になるのは企業団体献金やパーティ、それから政策活動費。この切り込みが弱かったら改革に値しないと思う。それが値しないまま、与党だけで(政治資金規正法が)通ってしまった」と嘆いた。
政治資金規正法や公職選挙法は「戦うルール」だとする野田氏は「ルールを確認しあってフェアに戦おうという話なのに、なんで与党だけで決めちゃうの?政治改革の基本の基ができていない。与党のトップと野党のトップが最後は『一致点を見出す』ということをやったのかというと、それは立憲民主党代表の泉健太氏とやらなかった。1回もやろうとしていなかった。それじゃいけない。やって要求が理不尽だったら理不尽な側が批判をされる。ただ、折り合おうという努力をしなかったのは邪道だ」と言い切った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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