<大相撲七月場所>◇五日目◇18日◇愛知・ドルフィンズアリーナ
幕下三十八枚目・魁清城(浅香山)が幕下三十七枚目・若雅(二子山)を突き落として2勝目を挙げた一番は、激しい頭のぶつけ合い、突き合いの末に若雅が突如、前のめりに崩れ落ちてしばらく動けなくなる事態に。館内騒然となる中、待機していた赤いビブスを着用した救命士が土俵上に急行。適切な対応で若雅の安全を確認すると、館内に安堵の拍手と声援が響いた。ファンからは「救護班いい仕事してる」と感謝の声が相次いだ。
鋭い踏み込みで突いて出たのは若雅だった。しかし、土俵際まで押し込まれた魁清城が巧くいなすと、両者、激しく突き合い、さらに頭をゴツンとぶつけ合う熱戦へ。
所狭しと土俵を動き回った両者は、土俵中央へ。魁清城が左からの張り手を繰り出すと、これが若雅のアゴ付近を直撃。次の瞬間、185センチ、141.3キロの若雅の巨体が前のめりに崩れ落ちた。
しかし倒れ込んだ若雅の様子がおかしいことを察知した館内からはどよめきが起き、騒然となった。ピクリともせず、うつ伏せに大の字となった若雅を行司がのぞき込むと、若雅がようやく体を動かして反応する。
親方が「慌てなくていいよ」と心配の声をあげ、そこにスタッフ、そして待機していた赤いビブスを着用した救命士が駆け寄った。「首は痛くないですか?」「手は動く?」救命士の呼びかけに何度も頷いて応じた若雅は、自らの足で所定の位置へ。
若雅の無事と安全が確認されると、館内からは安堵の大きな拍手が起こった。なお、同じく安堵した様子の魁清城は、勝ち名乗りを受け土俵を降りると、深々と一礼をして花道を下がっていった。
館内騒然となった一番を受け、ファンからは「アゴに掌底が入った」「急に倒れたぞ」「脳震盪か」「張り手でグラっときた」「ゴツンで失神?」など様々な憶測の声が飛び交った。その一方、日本相撲協会が力士の安全を守る新たな対策として今年三月場所から常駐させている救急救命士に対しては「救護班いい仕事してる」と感謝の声も聞かれた。(ABEMA/大相撲チャンネル)