将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の1回戦第3局が7月20日、石川県金沢市の「石川県産業展示館」で行われ、丸山忠久九段(53)が菅井竜也八段(32)に97手で勝利した。2回戦に進出した丸山九段は、9月14日に行われる熊本大会で広瀬章人九段(37)と対戦する。
6年ぶり8度目の対戦は、ベテランの丸山九段に軍配が上がった。注目の一戦は、振り駒で丸山九段の先手番に決定。振り飛車党の菅井八段が中飛車を志向すると、先手は中飛車対策の“丸山ワクチン”を指し進めた。しかし、菅井八段もお見通しとばかりに意表の一手で対応。すぐに目まぐるしい戦いへと突入した。
力戦へと発展した将棋は、相穴熊に。丸山九段は1筋からぐんぐん後手へとプレッシャーをかけて、ペースを握ることに成功した。菅井八段は棒銀から2筋突破を果たしたものの、思うような戦果が上がらない。猛攻を仕掛けて先手陣へと迫った菅井八段だったが、丸山九段は冷静な対応で瞬く間にリードを拡大。後手陣を包み込むように制圧し、丸山九段が快勝を飾った。
3年ぶり22回目の日本シリーズ初戦で勝利した丸山九段は「序盤つまづいていたのかなと思っていた。3八銀が使えない展開なので、そこが勝負にどう出るかわからなかった」と一局を振り返った。また、敗れた菅井八段は「中盤で失敗してしまい、将棋としては面白い展開にできなかった」とコメントした。
この結果、丸山九段の2回戦進出が決定。次戦は9月14日に行われる熊本大会で広瀬九段と対戦する。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)