【明治安田J1リーグ】鹿島アントラーズ 2-1 FC東京(7月20日/県立カシマサッカースタジアム)
勝敗を分けたのは、鹿島アントラーズのMF名古新太郎が縦に運び出した“一歩”の動きだった。逆を取られた相手DFも思わず天を仰ぐゴラッソに、ファンたちも「うますぎるって」「ベストイレブンあるぞ」と大興奮だ。
注目のシーンはゴールレスで迎えた30分だった。鹿島はFC東京の攻撃をなんとか食い止めてカウンターを発動。ボールを回収したMF柴崎岳から中央のFW鈴木優磨、左サイドのMF仲間隼斗と繋がり、ボックス内に入り込んだMF師岡柊生がシュート。これは弾かれるが、名古がこぼれ球を拾う。
名古のトラップがわずかに大きかったことで、対峙したFC東京のDF徳元悠平は一気に距離を詰めようと食いつく。そこを逆手に取った名古は、ダイレクトでクロスを入れるモーションをキャンセルし、1歩だけ縦に運び出してシュート。徳元を振り切り、わずかに開いたシュートコースを見逃さなかったこの一撃は、GK波多野豪も処理しきれずに左のサイドネットを揺らした。
試合の解説を務めた永井雄一郎氏は、「角度がなくて非常に難しいシュートでしたが、その前に4人が関わっている。攻撃の厚みは素晴らしい」と分厚い攻撃となった鹿島のカウンターを称賛。さらに名古については「シュートの能力、精度が素晴らしい。1つ縦に運んだことでコースは難しくなりましたが、よくファーに決め切りました。素晴らしいシュートでした」と、一歩運び出した動き、シュートを決める技術の高さを称えている。
このゴールはSNSでも話題となり、「うますぎるって」「名古のシュートうますぎんか?」「振り足が早いって」「コースないかなと思ったけどよく決め切ったな」「名古は年間ベストイレブンあるぞ」「代表に選ばれてほしい」「コンパクトな足の振りが最高」など大盛り上がりとなった。
名古はこれで今季5ゴール目。さらに6アシストも記録するなど、鹿島のオフェンスを牽引する活躍を見せている。
このゴールで先制した鹿島は41分に追いつかれるも、後半開始早々にDF濃野公人のゴールで勝ち越しに成功。名古は82分までプレーし、チームの勝利に貢献している。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)