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【画像】因縁の対決は衝撃の1ラウンド衝撃決着(複数)

 7月28日(日)さいたまスーパーアリーナにて「超RIZIN.3」が行われ、48117人(主催者発表)のファンが“真夏の格闘技の祭典”に集結。メインイベントでは平本蓮朝倉未来を1Rでマットに沈め、超満員のさいたまスーパーアリーナを沸かせた。

【画像】因縁の対決は衝撃の1ラウンド衝撃決着(複数)

 朝倉未来VS平本蓮、格闘技ファンはもちろん、多くの人々を巻き込んだビッグマッチは衝撃的な結末を迎えた。2018年のRIZIN初参戦からRIZINの中心選手となり、格闘技の枠を超える存在となった朝倉。そして新生K-1からRIZINに参戦し、熱望してきた朝倉との対戦をついに実現させた平本。現在の日本格闘技界で最も注目を集める日本人対決は、MMAの戦績で言えば朝倉は17勝4敗1NC、平本は3勝3敗と圧倒的に朝倉にアドバンテージがあり、下馬評でも朝倉有利の一戦だった。

 しかしいざ試合が始まると平本は朝倉と同じサウスポーに構え、序盤から朝倉に圧力をかける。そして朝倉がロープを背負うと、左右に動く小刻みなステップから自分の左サイドに踏み込み、打ち下ろすような左ストレートで朝倉の足を止める。この一発を効かせた平本は一気にパンチをまとめ、最後は再び左で朝倉をなぎ倒し、パウンドの連打でレフェリーストップを呼び込んだ。

 下馬評を覆すだけでなく、強烈な打撃で平本が朝倉を沈めるという衝撃的な結末。試合後に平本がコナー・マクレガーの名言「精度はパワーに勝り、タイミングはスピードを凌駕する」で例えたフィニッシュにつながった左ストレートはいかにして生まれたのか?

 まず平本は構えとステップが違った。昨年大晦日のYA-MAN戦をはじめ、MMA転向後の平本は自分の打撃を活かすことよりも相手に組ませない・組みに対応することを意識した構えだったが、この日は朝倉にプレッシャーをかけ、いつでも踏み込んでいける構えに変わっていた。さらにこの試合に向けて、堀口恭司の伝統派空手式のステップや動きを取り入れ、ファイトスタイルを倒すモードにシフトチェンジしていた。

 「MMAの練習を続けていて、技術を吸収するうちに戦い方が待ちになるというか、後手に回っていることは自分でも理解していた。それだと自分の武器の回転数が上がらないことは分かっていて。それで今回ONEの手塚裕之さんから二瓶卓郎さん(堀口恭司の師・二瓶弘宇の長男)を紹介してもらって、伝統派空手のステップは何回も何回も練習していて、自分から勝負にいこうと思っていました。(これからも伝統派のステップは使う?)K-1時代のスタイル、剛毅會空手、伝統派空手。それぞれ共通しているものがあるので、それを自分で噛み砕いて作った平本蓮スタイルですね」

 左ストレートそのものも平本が事前に朝倉の動きを分析していたものだ。朝倉は右利きサウスポーで、右手(前手)のフックを合わせることを得意にしている。そこで平本は左右のステップでプレッシャーをかけ、あえて朝倉の右手側に踏み込むことで、朝倉の右フックを誘ったのだ。

 平本曰く「こっちが前に出てあの位置に入ったら(朝倉は)癖で右フックを打ってくる。しかも右フックを打つ時に体が開いているから、僕の左ストレートの方が当たるんです。あのパンチはずっと練習していました」。試合直前のウォーミングアップでも練習仲間の赤田功輝に何度もこのパンチを繰り返し、反復練習を続けていた。

 そしてもう一つ、平本は朝倉戦のために変えたことがある。それは試合で使うOFG(オープン・フィンガー・グローブ)をLからXLにサイズアップしたのだ。その理由はバンテージをしっかりと巻くため。平本はMMAでは組み技を想定してK-1時代よりもバンテージを薄く巻いていたのだが、今回はK-1時代と同じように厚めにバンテージを巻いた。そのためにこれまでよりもワンサイズ大きいグローブを選択していた。
  
 ファイトスタイル、フィニッシュブロー、そして着用するグローブに至るまで、そのすべてを朝倉未来をKOするために仕上げてリングに上がった平本だったからこそ、格闘技の歴史に残るKO劇を起こすことができたのだ。

文/中村拓己
©︎RIZIN FF

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