新タイトルホルダーが堂々たる存在感を見せつけた。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Dリーグ第3試合、チーム佐々木 対 エントリーチームの模様が7月27日に放送された。第5局では、チーム佐々木の伊藤匠叡王（21）が前局の勝利に続き連投。相手チームのエース・冨田誠也五段（28）との一戦で鮮やかなカウンターで勝利を飾り、リーダーの佐々木勇気八段（29）も「お手本みたいな勝ち方」と感嘆の声を上げた。
チーム佐々木の3連敗で迎えた第4局では、伊藤叡王が登板。井出隼平五段（33）を破り待望のチーム初白星を持ち帰った。ここをチームとしての勝負所と見た主将の佐々木八段は、伊藤叡王に連投を指示。伊藤叡王は「そういうことなら、まあ」と第5局の登板も引き受けた。
注目の第5局では、ABEMAトーナメントでも毎年の活躍ぶりが光るエントリーチームのエース・冨田五段との対戦に。相手の四間飛車に対し、先手の伊藤七段は「勝たなければいけないところ」としっかり穴熊に組んで対抗した。9筋の端攻めから踏み込んできた冨田五段に対し、伊藤叡王は▲9四桂から逆襲。▲8一飛の一手で後手玉を封じ込めると、両軍の控室からは驚きの声が上がった。この手順に、エントリーチームの井出五段は「アクロバティックな技。どういう技なのか全然わからない…すごい」、解説を務めた門倉啓太五段（37）も「見たことがないな、これは…」と目を丸くしていた。
鮮やかなカウンターを決め、87手で完勝した伊藤叡王の一局に、佐々木八段も「お手本みたいな勝ち方でしたね」と称賛。見るものを魅了する、タイトルホルダーの快勝譜にファンからも「つよすぎ」「さすたく」「さすが叡王」「安定の終盤」「さすがやな」「叡王かっこいい！」と多くの声が押し寄せていた。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
