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【映像】グラフの波形にも注目 大接戦の第3局ハイライト

 将棋の伊藤園お〜いお茶杯王位戦七番勝負第3局が7月30・31の両日に行われ、藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者・渡辺明九段(40)に111手で勝利。手に汗握るクライマックスには、誰もが興奮せずにはいられなかった。

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 どこを切り取っても見どころづくしの一局を、藤井王位が制した。両者1勝1敗のタイで迎えた第3局・徳島対局は、藤井王位の先手で角換わりの出だしに。渡辺九段も自ら主導権を奪うべく積極的な動きを見せ、前例のない将棋へと突入していった。藤井王位にとって興味深い局面へ展開したか、31手目で自身最長となる3時間10分の大長考。棋界トップの読みの精度を誇る藤井王位の迫力の長考を、皆が固唾を飲んで見守ることとなった。

 渡辺九段に仕掛けられた藤井王位は、「思った以上にどうすればいいか分からず、難しい局面になってしまった」。封じ手のあたりは絶対王者をもってしても「自信がない展開だった」という。前局に続き連勝を狙う渡辺九段は、気迫のこもった強気の手を連発。ABEMAの「SHOGI AI」はじわじわと挑戦者寄りの数字を示す時間が増えていった。

 しかし、藤井王位も危険をいとわず後手に強く踏み込み一気に流れを引き戻すことに成功。持ち時間切迫をものともせず、勝負に出て渡辺九段へとプレッシャーをかけた。一手指すごとに形勢が激しく入れ替わる接戦となったが、藤井王位は本局でも圧巻の終盤力を発揮。角での王手に対し、桂馬を合駒したことで勝ちを引き寄せてみせた。

 最終盤では藤井将棋の真骨頂とも言える美しい詰み筋が出現。自陣に打った桂馬には、ABEMAの中継で解説を務めた阿久津主税八段(42)、佐藤慎一六段(41)も「どの変化にも桂馬が利いている」「将棋図巧みたい…」と驚きを隠せない様子だった。

 あまりにも鮮やかな勝利に、白星を奪われる形となった渡辺九段も「終盤でなんでいつもこうなっちゃうんだろう…。藤井さんの将棋はすごい手がいっぱい出てくる」と本音を漏らす場面も。超接戦、大熱戦を見守ったファンも大興奮の様子で「ちょっと鳥肌…」「どこから読んでたんだろう」「持ち駒ピッタリの詰みて」「美しい」「芸術的詰み」「王位こわいw」とコメントが押し寄せていた。

 この結果、シリーズ成績は藤井王位の2勝1敗に。5連覇で達成となる「永世王位」獲得へ、また一歩前進を遂げた。次戦で藤井王位が防衛に“王手”をかけるか、渡辺九段が再び追いつくか。注目のシリーズ第4局は、8月19・20日、佐賀県唐津市の「洋々閣」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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【映像】大熱戦!藤井王位VS渡辺九段の第3局を徹底解説
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藤井聡太王位、22歳初陣を白星で飾る 自身最長の大長考が結実 挑戦者・渡辺明九段に勝利しシリーズ成績は2勝1敗に