予選から絶好調のシビックタイプR同士が、決勝で1対1の白熱バトルを展開した。わずか1秒の差を賭けた1位・2位の攻防戦にサーキットも熱狂した。
8月4日、富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第4戦決勝。GT500クラスでは、首位を独走していたARTA(#8 MUGEN CIVIC TYPE R-GT)の松下信治と、圧巻の追い上げを見せるSTANLEY(#100 CIVIC TYPE R-GT)の山本尚貴が、テール・トゥ・ノーズの激しい首位争いを繰り広げた。
サクセスウエイト29kgの比較的軽いウエイトの8号車は、予選から好調な走りでポールポジションを獲得していた。決勝レース序盤から野尻智紀が100号車ら2位以下を大きく引き離し、独走状態でレースを進めた。
レースは35周目、8号車は100号車に8秒もの差をつけながらピットインし、ドライバーを松下に交代。高い気温を鑑みてタイヤの温存を図ろうと様子を伺っていた松下に対し、追走していた100号車の山本は“今がチャンス”と言わんばかりの勝負に出た。100号車はサクセスウエイト57kgのハンデがありながらもみるみる差を縮めて、一時は0.4秒差に迫る大激戦に。
これにはファンも「どんどん縮まる!」「2020年最終戦を彷彿とさせる!」「STANLEYは優勝も狙えたけどARTA #8が強かった」と大盛り上がり。
松下も「100 号車の山本選手が結構すごいペースで追ってきたので、それに対抗する形でペースをあげたんですけど、ちょっとドキッとしました。でも、抜かれるわけにはいかなかったですね」と振り返った。
この100号車のプレッシャーを受けてもなお、松下は“先を見据えた”冷静な走りで首位をキープ。ついには、スタミナの切れた100号車を突き放し、再び独走状態に。リードを保ったままレースを駆け抜けた。
2戦連続のリタイアと無念のシーズンを過ごしていた8号車は、この第4戦で見事ポールトゥウィン。松下は「シビックで今シーズンを始めて、開幕戦から何度か表彰台を狙えるシーンがあったんですけども、ここでやっと、ついに優勝できて本当によかったです」と喜びを語った。
なお、この8号車の優勝により、今シーズンから投入されたホンダの新型車両 CIVIC TYPE R-GTは初の優勝を飾った。そして、続いて100号車が2位でフィニッシュしたことで、ワン・ツー・フィニッシュの快挙も成し遂げられた。
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)