8月12日、プロレスリング・ノア真夏の最強決定リーグ戦『N-1 VICTORY 2024』中盤戦の山場である神奈川・カルッツかわさき大会が開催された。

 GHCヘビー級王者としてN-1完全制覇を自らに課して参戦したエース清宮海斗だったが、初戦でルイス・マンテに敗れ、2戦目も大岩陵平と引き分け、ここまで不戦勝をのぞいて勝ち星なしという苦しい星取り。かわさき大会では、ここまで3勝1敗の勝ち点6でAブロックのトップをひた走るドラゴン・ベインと対戦した。

 負けたら予選脱落濃厚となる中、背水ので臨んだ清宮だったが、この日も苦しい展開。リーグ屈指のハイフライヤーであるベインのトペ・コンヒーロをいきなり食らってペースを握られると、エプロンサイドでの飛びつきDDT、ツイスターベイン(シューティングスタープレス)など大技を食らい、さらにはシャイニング・ウィザードをカウンターのスパニッシュフライで切り返され、リバースフランケンシュタイナーでカウント3寸前まで追い込まれてしまう。

 それでも清宮は、ベインの必殺サンタマリアを空中で切り返し未遂に終わらせると、スタンディング式シャイニング・ウィザードで形成逆転。ここから一気にブーメラン式シャイニング、変形シャイニング・ウィザードで畳み掛けて逆転の3カウント奪取。リーグ3戦目にしてようやく初白星を挙げた。

 一方、Bブロックは開幕から3連勝で無敗の快進撃を続けていた拳王が、WWE・NXTから参戦した東京オリンピック出場のオリンピアン、タビオン・ハイツと対戦。得意の蹴り技を中心に試合を優位に進め、ジャーマン、ドラゴンのスープレックス連発で追い込むも、ハイツのバズ・ソイヤーを彷彿とさせるパワースラムを食ってしまい、最後は豪快なハイツボム(旋回式ジャンピング・フロントスープレックス)の前に轟沈。リーグ初黒星を喫した。

 メインイベントは、N-1 Bブロック公式戦の征矢学vs稲村愛輝。ともに肉体改造に成功したNOAH屈指のパワーファイター対決は、期待通り真っ向勝負の肉弾戦を展開。後半、征矢が弾道(走り込んでのラリアット)の乱れ打ちから、とどめのジャンピングDDTを狙ったところ、これを稲村が無双で切り返し、脳天から突っ込むロケットスピアーを発射。

 征矢もデスバレーボムから弾道で勝負をかけるが、稲村がカウンターの無双で捕獲して逆転の3カウント奪取。これによって稲村は勝ち点6。現在勝ち点8でトップを走る拳王への追撃体制が整った。

 試合後、マイクを握った稲村は「うおぉぉぉぉぉぉ!」と咆哮。その後、「もう負けたくないんだよ! 俺はまだ崖っぷちかもしれない。でも、前だけを見てN-1優勝まで猛進してやるぜ!N-1 VICTORY優勝して夏男になるこの俺から目を離さないでください! そしてこの最高に熱いN-1 VICTORYから絶対に目を離さないでください!ありがとうございました!」と絶叫。この稲村の叫びに、観客も「ヨシキ」コールで応えた。

 N-1 VICTORY公式戦は、残すところあと3大会。9.1エディオンアリーナ大阪第1競技場での優勝決定戦までNOAHの熱い夏はまだまだ続く。

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